町田徹「ニュースの深層」
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官邸周辺でくすぶる「消費税増税延期論議」!参院選に向けた「人気取り策」の代償はいかに?

2013年04月30日(火) 町田 徹
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 「安全策として(消費税の増税を)1年ぐらい延ばすのもいいのではないか。せっかく上がりかけた景気が増税でぽしゃってしまう例は、日本の歴史だけでなく、世界の歴史にもある」――。“アベノミクスの指南役”と呼ばれる浜田宏一内閣官房参与(エール大学名誉教授)が4月初めにロイター通信のインタビューで発したこの一言が波紋を広げている。

 7月に参議院議員選挙が迫っていることもあって、来年4月の消費増税の景気に対する悪影響を懸念する声が政府首脳たちの間にあがり始めているのだ。しかし、そうした議論が「燎原(=りょうげん)の火」の如く広がれば、せっかく好スタートを切ったデフレ脱却作戦の腰を折りるという本末転倒の事態を招く危険もありそうだ。

経済財政諮問会議で飛び出した菅官房長官の発言

 浜田参与が“爆弾発言”をしたのは、黒田日銀の「異次元の量的・質的金融緩和」を受けた市場の興奮状態が冷めやらぬ今月9日のこと。

 インタビューでは、まず、浜田参与の持論でもある大胆な金融緩和について、「日銀が採用したのは画期的」と高く評価してみせた。そのうえで、今後の成否については、「(2%の物価目標を)2年で達成できるかはわからない。財・サービスや消費、投資、雇用などにどれだけ的確に早く(効果が)及ぶかがこれからの問題だ」と楽観するのは時期尚早で、目配りすべき問題はたくさん残っていると発言した。

 すかさずインタビュアーが「景気の先行きは不確実性が強いということか」と質すと、浜田参与は「来年4月に消費税を上げても大丈夫かは、今後をみてみないとわからない。安全策として1年くらい延ばすのもいいのではないか。せっかく上がりかけた景気が増税でぽしゃってしまう例は、日本の歴史だけでなく、世界の歴史にもある。ブレーキをかけて歳入(税収)の上昇が止まれば、消費税は率を上げただけで、何のためにもならない。財政の大盤振る舞いをしない限り、輸出業者からの儲けが国庫に入ってくるので、それを財政に使わずに貯める方向でいいと思う」と述べたのだ。

 浜田参与にとって「異次元緩和」は、我が子のように可愛い政策なのだろう。インタビュアーから景気が腰折れした時に日銀が取り得る追加策の有無を問われて、「例えば国債をすべて買い切るつもりでやってもいい」といくつかの手段の存在を列挙しながら、「問題は行き過ぎた場合にうまく止められないと、引き締めなどで(政策が)ギクシャクする。行き過ぎないよう、なだらかに収めることができれば名人芸だ」と、実際の調節の難しさを親切かつ丁寧に説明した。

 こうしたインタビューの文脈から読み取れるのは、デフレからの脱却を目指す壮大な社会実験を始めた以上、かく乱要因になり得るものはなんであれ排除したいという、浜田参与独特の「異次元の金融緩和」への強い思い入れだ。消費税の増税論議も、その延長線上に出て来る話となっている。

次ページ  政府筋によると、こうした浜田…
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