経済の死角

うらやましい限りです
日本の「幸せな会社」ベスト50
史上初の大調査一覧表付き

2013年05月07日(火) 週刊現代
週刊現代
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 多忙でも笑って働く社員がいる。胸が熱くなるような仕事に人生を懸ける社員がいる。日本は「人材」こそが唯一の資源だ。こんな会社がもっと増えれば、キラキラ輝く日本の未来が見えてくる。

「マグロ一筋」の商社マン

 三菱商事社員のAさんのとある一日は、夜も明けきらない午前5時30分から始まる。セリの声が響き渡る東京・築地市場マグロ卸売場。キャップに作業着姿の業者に混じって、マグロの販売動向をつぶさにチェックするのだ。

 水産物で世界最大級の取引規模を誇る同市場には、世界中から集められたマグロが一日あたり1000本ほども並ぶ。その一本一本に目を凝らし、産地、鮮度、大きさなどを確認していると、「マグロの最新事情」が見えてくるという。

 約1時間の目利きタイムが終わると、築地市場で新鮮な魚の朝食をガッツリ食らい、そのまま丸の内のオフィスへと向かう。スーツ姿でビシッと決めたエリートサラリーマンが集まる日本最大のオフィス街に、ほんの数時間前まで築地市場にいたという人間は、きっとAさん以外には一人もいない。

 オフィスでの仕事は、ガラリと様相が変わる。

「海外の生産者らとの商談が中心です。よりよいマグロを、より安く買い付ける交渉ですから、それは白熱した交渉ばかりです。しかも、われわれの取引相手は世界中の企業ですから、胆力勝負。ただ、交渉が合意した後は、相手先と仲良くトコトン飲む仲になれる。学生時代に明け暮れたラグビーのノーサイドとまったく同じ感覚です。この瞬間が、何度味わっても気持ちよくて」

 入社以来十数年、マグロ一筋のサラリーマン人生を歩んできた。

「初めての海外出張でマグロの加工凍結船に乗船した時は、毎日マイナス50℃以下の冷凍庫でマグロの積み下ろしをやりました。寒くてきつい作業でしたが、これで『現場』がよく分かった。

 南欧に出張した際は、シエスタ(午睡)があるので、顧客との昼食が始まるのが昼の14時で、終わるのは夜の19時になることもあるんです。しかも、また21時からの夕食に誘われたりして。とにかく食べ物を口に入れて、無理やり白ワインで流し込みましたよ」

 夜は海外の生産者や顧客と懇親会を行い、帰宅するのは日付が変わる頃になっている。

 きつくないですか、と向けるとこんな答えが返ってきた。

「マグロの消費を拡大し、世界中の消費者にマグロを安定供給し続けるという夢があるんです。だから、まったくきつくないし、やればやるほど奥が深い仕事だと気付かされます。

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