対談 堀潤 × 津田大介 【第2回】 原発事故という「緊急時」に、NHKは「平時」のルールを適用してしまった

2013年05月01日(水)
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津田 堀さんの中で、東日本大震災が、非常に大きな活動の転機になったということですね。

 はい。原発事故の報道については、もちろん難しい部分がありました。僕もニュースセンターの中にいたんですが、社会のパニックを引き起こさないために、細心の注意を払って情報を精査しながらやっていました。

津田 放送する内容をマイルドにしたわけですね。当時、ニュースセンターの中で、報道部のお偉いさんたちが「この情報はヤバいから流すな」と命令してくる・・・みたいなことはなかったんですか?

 やはり、原発の専門家の話について「これをテレビで放送したらまずいよ」といったことはありましたね。また、原発事故が進行している状況で、まだ格納容器の中を見ていないので憶測するしかないことは、やはり言えませんでした。平時には、「100%裏が取れていないものは出さない」というルールがあるので。

津田 それをNHKは緊急時にも適用してしまったと。

 はい。そうだったと思います。

〈次回に続く〉

 

 

堀潤 (ほり・じゅん)
ジャーナリスト。1977年生まれ。2001年にNHK入局。「ニュースウオッチ9」リポーターとして主に事件・事故・災害現場の取材を担当。自取材で他 局を圧倒し報道局が特ダネに対して出す賞を4年連続5回受賞。10年、経済ニュース番組「Bizスポ」キャスター。12年より、アメリカ・ ロサンゼルスにあるUCLAで客員研究員。日米の原発メルトダウン事故を追ったドキュメンタリー映画「変身 Metamorphosis」を制作。13年よりフリーランス。NPO法人「8bitNews」代表。
津田大介 (つだ・だいすけ)
ジャーナリスト、メディア・アクティビスト。1973年生まれ。東京都出身。早稲田大学社会科学部卒。関西大学総合情報学部特任教授。早稲田大学大学院政 治学研究科ジャーナリズムコース非常勤講師。メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野として執筆 活動を行う。ソーシャルメディアを利用した新しいジャーナリズムをさまざまな形で実践。著書に『Twitter社会論』『未来型サバイバル音楽論』『情報の呼吸法』『動員の革命』などがある。週刊有料メールマガジン「メディアの現場」配信中。

 

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