対談 堀潤 × 津田大介 【第2回】
原発事故という「緊急時」に、NHKは「平時」のルールを適用してしまった

[左]津田大介さん、[右]堀潤さん
※この対談は4月2日に行われたものです。書き起こしにあたっては、読みやすくするために必要最低限の編集を行っています。

【第1回】はこちらをご覧ください。

尖った企画が通る半面、お役所的な部分もあるNHK

津田 NHKのアナウンサーの立場でいる限りジャーナリスティックなことはやりにくい、と気づいて、中で職種を変わることは考えなかったんですか?

 NHKの場合、他のテレビ局と違って職種間の流動性が乏しいんです。基本的に、記者で入ったらずっと記者、ディレクターで入ったらずっとディレクター、総務で入ったらずっと総務なんです。アナウンサーもずっとアナウンサーで。

津田 入ってから職種が変わる人はいないんですか?

 たまにありますけど、気分的には転職するのに近い厳しさでしょうね。今までのキャリアの価値がすべてゼロになって、そこから自分の力でもう一度這い上がらなければならない。

 それくらいの苦労をする覚悟を強いられるわけです。そんな流動性の乏しさも、NHKという組織を硬直化させている一因だと思います。

津田 僕もNHKにはよくお世話になっていて、「NEWS WEB 24」に出演したりしてるんですが、ああいう尖った企画がちゃんと局の中で通って実現するのには感心するんです。その反面、正直、お役所的な部分があることも感じます。

 たとえば、Twitterと連動するトーク番組を収録したことがあるんですが、Twitterで連動する以上、Ustreamなどで生中継して、それがソーシャルネットワークで広がり、いろいろな意見が届いてそれに答えていくやり方、まさに「NEWS WEB 24」のようなやり方をした方がいいに決まっています。しかし、その番組の場合、収録して後で放送するということになっていて、「それを先に出すのは局としてあり得ない」という判断になってしまいました。