賢者の知恵
2013年04月30日(火)

対談 堀潤 × 津田大介 【第1回】
「世論」と「中立」が好きな日本のテレビは、なぜつまらなくなったのか

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[左]津田大介さん、[右]堀潤さん
※この対談は4月2日に行われたものです。書き起こしにあたっては、読みやすくするために必要最低限の編集を行っています。

 

NHKでは、常に世の中の空気を読まねばならなかった

津田 現時点(4月2日午後)ではまだ、堀さんがNHKを辞められてから丸一日経っていないわけですが、率直なところ、退職した感想はどうですか?

 世界は自由なんだということ、そして、言論空間には自由があるんだということをすごく実感しています。昨日も、退職したことをTwitterでつぶやきましたが、いろいろな反応を頂きました。

 これまでは公共放送のアナウンサーだったので、ルールを意識しながら、また、ある意味で逸脱しながら仕掛けていった部分がありました。その結果、僕の発言には、組織からのハレーションというか、一種の不自由さが伴うこともありましたが、それがもうないということを強く感じましたね。

津田 なるほど。ただ、言い方を替えると、組織は内部のルールを作ることによって、堀さんたち職員を外から守ってくれていた部分もありますよね。今はそうやって守ってくれるものがなくなり、これからは、発言した言葉への責任がすべて自分に直接のしかかって来るわけですね。

 だから、いろいろ考えてしまうんです。今までは、組織にいたからこそ、たとえば原発問題に日本の大手企業が絡んでいる話も思い切って取材して、報じることができた部分もあります。

 しかしフリーランスになり、たとえば企業を対象として取り上げる場合も、非常に慎重な戦略を練りながら、取材や発信をしなければいけない。その辺は、自分でも脇を締めて、より緻密にやっていかなきゃいけないと思っています。

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