世界の国家元首と並んで、ハーバードビジネススクールのケースの主人公になった! 【その1】
授業の後、ケースを採用したヘンダーソン教授と

「あなたの挑戦は、世界中が学ぶ意義がある」

 テロの騒ぎも収まらない中、ボストンに行ってきた。以前にも書いた通り、私はハーバードビジネススクール(HBS)のケースの主人公になり、ゲストとしてクラスに招待され、参加してきたのだ。

 ケースのタイトルは、「皮のスーツを着た政治家と日本の資本主義の逆説」という。私の参議院議員時代の、改革への挑戦を取り上げたものである。日本の政治家がHBSケースの主人公になるのは初めてだという。

 行ってみて初めてわかったのだが、HBSで使われるケースの主人公になり、クラスに招待されるというのが、こんなに光栄なことだとは思っていなかった。実際、HBSでは「あなたがやった挑戦は、世界的に見て、全員が学ぶ意義のあることです」と言われた。逆の味方をすると、そういう挑戦しかケースにならない、ということだ。

 私の友人でHBS卒業生の、シーラ・マルセロという女性がいる。「Care.com」という子育てと介護のビジネスを起業して、世界中で成功している経営者だ。

 「HBS卒業生のロールモデル」と言われるほど優秀な彼女が、今回、私にこんなことを言ってくれた。

 「HBSのケースに招待されることが、卒業生の間でもどれだけ光栄なことかわかる? しかも、政治のケースでしょ。普通は国家元首クラスしか呼ばれないわよ。すごいことよ」

 本当に、自分のことのように喜んでくれていた。実際、あとで聞いてみると、彼女の言葉に誇張はないことがわかった。

 政治のケースで主人公になり、ゲストとして招待されるのは、確かに私以外は国家元首クラスばかりだった。たとえば、私の前のフィンランドのケースでは、首相を務めた人物がクラスに招待されていた。

 HBSでは「MBAを取るより、あるいはHBSの教授になるより、ケースの主人公になるような人生を生きることの方が意義があり、実現するのが難しい」と言われている。

 その理由は明白だ。HBSは「意思決定を訓練する学校」であり、意思決定の訓練の教材として、ケース(事例)が使われている。そして、教員も学生も年々グローバルになるHBSでは、「世界中の誰が見ても何かを学べる意志決定の瞬間」が刻まれた事例のみが、ケースとして作られ、使われるのだ。

 そんなHBSの素晴らしい教育については、拙著『君に、世界との戦い方を教えよう 「グローバルの覇者をめざす教育」の最前線から』でも詳しく紹介しているので、興味のある方はぜひお読み頂きたいと思う。

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