『対中戦略 無益な戦争を回避するために』(近藤大介著)
~第2章「中国の野望」より一部抜粋~

尖閣問題の真相を知り、中国の野望と弱点を具体的に分析すれば日本が採るべき「対中戦略」が見えてくる! 中国の野望とは? 弱点は? --- 「日本一、中国を知る男」がすべてを明らかにする!

船橋洋一氏絶賛!!
「徹底した現地取材と鋭い洞察。日中関係出直しに必読の書だ!」

孫崎享氏激賞!!
「中国の弱点を暴き、習近平の中国と渡り合う道を提言する意欲作」

【第1章「陸軍中心から海軍中心の軍隊へ」他】はこちらをご覧ください。

第2章 中国の野望
政治・経済・外交・・・・・・最大目標は「中華帝国の復活」

そもそも習近平時代の中国は何を目指しているのか。政治や経済、外交の動きを追っていくと、この巨大な隣国の野望の全貌が見えてくる。

習近平が繰り返し語る"中国夢"

 「中華民族の偉大なる復興という"中国夢"を果たす」---。

 習近平政権のキャッチフレーズとなっている言葉だ。習総書記は、「われわれはかつてのどの時代よりも"中国夢"に近づいた。いまこそ中華民族の偉大なる復興を果たそう!」と言って国民を鼓舞している。

 政治指導者が、未来の美しい青写真を吹聴して国民を鼓舞するというのは、万国共通の現象だ。ところが中国は社会主義国なので、「中華民族の偉大なる復興という"中国夢"」の内容と実現する時期は、他国と較べてより明確である。

 習近平総書記は、2012年11月15日に中国共産党トップの総書記に就任すると、翌々日の11月17日に、初めて中央委員会委員205人と委員候補171人の計376人を一堂に集めて訓示した。その際、次のように述べた。

 「中国共産党成立100周年の時に、小康社会(まあまあ豊かな社会)を全面的に達成する。そして新中国成立100周年の時に、富強な民主文明の和諧的な(調和のとれた)社会主義の現代国家建設を達成する」

『対中戦略 無益な戦争を回避するために』
著者=近藤大介
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 以後、各所で講話を述べるたびに、この同じ文句を口にしている。つまりこれこそが、「中華民族の偉大なる復興という"中国夢"」の内容及び実現する時期なのである。

 まずは時期から見ていこう。4000年の歴史を有する中国人は、極めて悠久の時間軸で、物事を考えている。2013年現在から見れば、前述の「中国共産党成立100周年」は、8年後の2021年7月1日である。

 同様に「新中国成立100周年」は、36年後の2049年10月1日だ。このように、中国が戦略的な目標を定める時、2021年までの中期目標と、2049年までの長期目標を、常に念頭において考える。

 この中国人の、いわば「大陸的時間軸」への理解は大事である。中国との交渉で、しばしば頭を擡げてくるからだ。特に習近平という政治家は、「大陸的時間軸」で物事をはかる傾向が顕著な指導者だ。