ゆるキャラ界の実業団=企業PRを担う"ビズキャラ"のつくり方

 20年以上も前の話です。私の就活時の夢は、エンタメの究極と思い込んだディズニーランド(="遊園地、"テーマパーク")で働くこと"でした。結果、最初に勤めた先はサンリオ・ピューロランド。入社当時は、多摩センターのピューロランドは開発途上でしたから、オープン前1年とオープン後の1年半、約2年半の間お世話になりました。

 この経歴を紹介すると、「ケロケロケロッピに入ってたの?」と、からかわれますが、実際にはサービス開発部というところに配属され、チケット販売、エントランスサービス、迷子センターなどを担当していました。あれから、すっかりキャラクターと縁を切ったはずでしたが、不思議なもので、昨年から企業PRの場面で、様々なキャラクターたちに出会う日々が続きました。

メジャー挑戦も見えてきた「くまモン」

 ご存知の通り、日本では空前の"ゆるキャラ"ブームが続いております。ご当地、町おこし、村おこしのシンボルとして、さまざまなキャラクターたちが大人気です。ミッキーやミニー、スヌーピーやキティちゃんなどに比べて、「ゆるさ」をアピールした「ゆるキャラ」というネーミングは、三浦じゅんさんの上手さでしょう。

 ミッキーやキティちゃん、ドラえもんやポケモンは、キャラクターの世界で言えば、超一流。エンタメ界のメジャーリーガーです。一方のゆるキャラは、地方自治体や商店街所属です。高額のギャラは発生しません。社会貢献、地域貢献のNPOキャラクターですからね。

 その代表選手が、熊本の「くまモン」でしょう。熊本県庁が2010年より「くまもとサプライズ」キャンペーンにおいて展開している熊本県PRマスコットキャラクターで、ゆるキャラグランプリ2011の王者でもあります。

 当初は九州新幹線開業までの期間限定キャラクターでしたが、次第に人気が出るにつれ、くまモンを熊本県のPRに活用しようとする動きが高まり、2011年3月7日に開かれた県議会一般質問において、蒲島知事はくまモンを九州新幹線開通後も県の統一イメージキャラクターとして、継続して熊本ブランドの普及に利用することを表明しました。

 これによって、くまモンは新幹線開業後も熊本県のPRに努めることとなり、山手線を始めとした首都圏東日本旅客鉄道(JR東日本)主要駅でのベンチ広告、広島東洋カープのホームであるマツダスタジアムでの看板・垂れ幕、ひろしまフラワーフェスティバルでの出没、福岡市中心部を走る西鉄バス(天神ライナー)での全面広告など、活動範囲も関西中心から、関東圏・広島県・福岡県など全国へと広がっていきました。

こちらは竹書房から出ている単行本『熊本県営業部長 くまモンだモン! ~まるごとくまモンBOOK~

 ちなみに、キティちゃんとは元々、熊本県限定商品である「ご当地キティストラップ」でコラボしていましたが、2012年のゴールデンウィークおよび夏休み期間を中心にサンリオ・ピューロランドでコラボイベントも行なっており、本格的に共演を果たしています。

 くまモンの場合、その誕生に脚本家の小山薫堂さんが関わっていたり、大阪を中心にユニークなPRプロモーションを仕掛けたりと、熊本県庁あげてのPR戦略が効果をあげています。素朴な熊本県人も、なかなかの戦略熊なのです。

 2012年12月26日付けのアメリカのウォール・ストリート・ジャーナル紙が、くまモンを一面で採り上げたことも記憶に新しい。地方リーグ出身のくまモンにも、ついにメジャー挑戦が見えてきた、というと言い過ぎでしょうか。アマゾンで検索すると「くまモン本」もたくさん出版されています。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら