ボーイング787がトラブル原因未解明のまま納入・運行再開へ---ANAとJALは機材調達先の分散化を考えるべきでは?
〔PHOTO〕gettyimages

 米ボーイング社は5月早々、バッテリーのリチウムイオン電池からの出火トラブルが相次いだため米連邦航空局(FAA)から運航停止命令を受けた最新鋭機B787の各国向け納入を再開する。

と同時に、国内で17機保有する全日空(ANA)と7機保有する日本航空(JAL)は、FAAが4月25日に運航停止措置を解除したことを受けて、6月から営業運航を再開する。両社はすでにオンライン予約を始めている。そして、世界に先駆けてエチオピア航空が4月27日に運航を再開する。

トラブル原因が未解明のまま運航再開

 本稿では、そもそもB787を導入し、1月16日の運航停止措置発令まで運航していた世界の主要航空会社はどこか? という疑問から解き起こしたい。

 先ず、契約機数の上位ランキングから(2013年2月までの実績。以下同じ)。①ILFC(世界最大の航空機リース会社・米国)74機、②ANA(日本)66機、③ユナイテッド航空(米国)50機、④JAL(日本)45機、⑤アメリカン航空(米国)42機、⑥エティハド航空(アラブ首長国連邦)41機、⑦エアカナダ(カナダ)37機、⑧カタール航空(カタール)30機、⑨インド航空(インド)27機、⑩ラン航空(チリ)26機。

 次に、営業運航していた機数。①ANA17機、②JAL7機、③インド航空、ユナイテッド航空6機、④カタール航空5機、⑤エチオピア航空(エチオピア)4機、⑥ラン航空3機、⑦LOTポーランド航空(ポーランド)2機。

 この数字で一目瞭然なことは、国内の2大航空会社、JALとANAがB787の大量購入契約を結び、米国の主要航空会社より遥かに多くの機数を営業運航させていたということである。それだけ高く中型機B787を評価しているということだろう。がしかし、である。

 米連邦航空局の運行停止措置解除に続いて国土交通省も1日遅れの26日に追認することで、B787が再び日本と世界の空を飛ぶことになったが、『読売新聞』(4月26日付朝刊)が社説に「原因究明を進めていた米国家運輸安全委員会(NTSB)などの調査では、依然として技術的な問題は特定されていない」と書いているように、実はトラブルを引き起こした原因が未解明のままの運航再開なのだ。

 同紙社説のタイトル「安全最優先で世界の空を飛べ」は、まさにその通りである。万が一、運航再開後にトラブルが再発したらメーカーのボーイング社だけでなく、同機を営業運航する各航空会社も致命的なダメージを被ることになる。

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