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研究 なぜ長野は日本一の長寿県になったのか
週刊現代 プロフィール

「長野では、味噌の消費量が全国一。味噌には、その発酵過程で作られるアミノ酸の一種・GABAが豊富に含まれています。これは、神経を落ち着かせる効果があるので、味噌汁を飲むと、最終的には血圧の低下につながるのです。味噌汁の塩分を気にする人がいますが、飲みすぎたり、塩分の高い味噌を入れすぎたりしなければ、血圧が上がることはありません」

病院の数は少ない

 味噌のほかにも、長野では納豆や麹など発酵食品を食べる習慣が根付いている。発酵食品を意識して摂取することで、便通が改善して腸内環境が整い、大腸がんの予防など健康に大きく貢献する。塩分を控えるためにも、塩の代わりに塩麹を用いるのもお勧めだという。

 最後に、長寿の大きな秘訣となる、長野県人の医療との向き合い方をお伝えする。表を見てもわかるように、長野県は高齢者(65歳以上)の医療費が44位とかなり低い。病院数も33位と少なく、一見環境が悪いように感じるが、これこそが長寿最大のポイントと言えるかもしれない。

「長野は、病気になる前に予防がきちんとできている、理想のモデルなんです。病院数が少ないだけでなく、ここには県立のがんセンターもない。でもがんでの死亡率は低い。

 このことが何を示すか。それは、がん治療が寿命を延ばすことに貢献しているか、非常に疑わしいということです。早期発見されて死亡率が下がるがんは、胃がんなど種類が限られています。じつは、早期発見できないがん、早期で発見しても死亡率が下がらないがんが多いのです。

 長野の人は、医療に頼りすぎずに自然と共存して生きてきたので、『自分の身体は自分で守る』という考えが定着しているのです」

 病気になったとしても最先端の医療で治してくれる—こうした考えが、寿命を縮めている原因かもしれない。長野に倣えば、あなたも確実に、長寿に近づけるはずだ。

「週刊現代」2013年4月27日号より