研究 なぜ長野は日本一の長寿県になったのか

2013年05月03日(金) 週刊現代

週刊現代賢者の知恵

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 沖縄の「長寿神話」もその一つ。1970年代から30年近く、平均寿命の首位を守り続けていた沖縄だが、現在では女性は3位、男性に関しては30位と急落している。これには、ファーストフードなど食の欧米化が主な要因として挙げられるが、海洋汚染も、その一因となっているのかもしれない。

 ちなみに、長野ではファーストフード店もコンビニも非常に少ない。需要がないからだ。

「たとえば高山村には、標高の一番低いところにコンビニが1軒あるだけです。代わりにあるのはお蕎麦屋さん。野菜や果物は自分たちで作って自給自足していますから、必要なものがあればたまに街に買い出しに行けばいいからです」

 長寿の秘訣として、次に挙げられるのは「生きがい」だ。白澤医師も「生きがいがあるかないかが寿命に大きく影響する」と言うが、長野には、それを示す要素が数多くある。

 次ページの表に、長野と平均寿命が最下位の青森県を比較した表を記した。青森の人には厳しい結果だが、これが現実と思って受け止めて欲しい。ここで注目すべきなのは、高齢者の就業率、公民館数、博物館数、ボランティア参加率、旅行・行楽に行く人の割合だ。長野ではすべて10位以内に入っている。

「毎日変化のある生活を送り、感動したりときめいたりすることで脳は若返ります。生きがいが意欲や好奇心の源になって、精神的にも明るくなっていくのですが、高齢者の場合はとくに『日々何かすることがある』という状況そのものが、いつまでも健康でいられる秘訣なんです」

毎日、紫外線を浴びている

 毎日外に出歩くことで、もうひとつ、良いことがある。紫外線を浴びることが、健康長寿につながるのだ。

 紫外線はシミの原因になるだけでなく、皮膚がんにもつながるからよくないのでは、と思う人も多いだろう。だがそれは、誤った情報だと白澤医師は主張する。

「ヒトは、紫外線を皮膚に浴びることによって、ビタミンDを作りだすことができるので、日光には当たるべきなんです。ビタミンDが合成されれば、骨粗しょう症や乳がんなどのがん予防にもなることが証明されています。

 紫外線で皮膚がんになる、という通説の根拠となっているのはオーストラリアの論文で、日本人にはほとんど当てはまりません。皮膚がんになるリスクよりも、紫外線を浴びずに、骨粗しょう症から寝たきりになったり、がんになったりするリスクのほうがずっと高い。その点で、長野の人は、毎日外へ出て畑や果樹園で仕事をしているから、病気にもなりにくいのです」

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