伊丹・宝塚市長選連敗で「維新人気」は終わったのか!?  安倍自民党に歩み寄る橋下代表の本音とは
昨年12月の衆院選 〔PHOTO〕gettyimages

 4月14日に投開票が行われた兵庫県の伊丹市長選と宝塚市長選で、日本維新の会の公認候補がともに惨敗した。いずれも現職候補が圧倒的な大差を付けて勝利し、維新人気が関西地域でも予想外に広がっていないことを示した。今年7月の参議院選挙の行方を占う選挙として注目していた永田町では、「維新人気ももう終わり」(自民党幹部)という声まで出ている。

 今回の選挙は、維新が首長選としては大阪府外で初めて公認候補を立てた。伊丹市、宝塚市とも前市議会議員の新人を擁立。橋下徹共同代表も応援に回った。昨年の衆議院議員選挙の比例代表では、両市とも維新が得票率トップだったが、首長選ではまったく通じなかった。

 伊丹市長選挙は無所属で現職の藤原保幸氏を自民、民主、公明の与野党が相乗りで推薦。これに、みんなの党の推薦を得た維新の公認候補が挑んだ。結果は4万1267票対1万3041票という大差だった。

 宝塚市長選は民主党が支持した現職の中川智子氏に、やはり維新公認でみんなの党の推薦を受けた新人と、自民党の推薦を受けた新人が挑んだ。維新候補の得票は2万3561票で、自民党推薦候補の9748票は上回ったものの、中川氏の4万3347票に遠く及ばなかった。アベノミクス効果で自民党系候補が圧勝したわけではなく、維新がいわば自滅したのである。

「政治的な立ち位置」が不鮮明に

 「大阪と大阪以外の関西圏では状況はまったく違う」と維新の会の幹部は語る。今回の惨敗は兵庫県の首長選挙という「アウェイ」での試合で、ホームグラウンドである大阪での参議院選挙にこの流れが及ぶことはない、というのだ。改革を着実に進めている姿勢は、大阪人には支持されているという自負が、大阪維新の会のころからの幹部にはある。市営地下鉄の民営化に向けた取り組みなど変化は出始めている、というのだ。

 だが、幹部のそんな発言とは裏腹に、世論調査でも維新人気の凋落が鮮明になりつつある。

 NHKが行った4月の政治意識調査では、日本維新の会の政党支持率は2.1%と3月に比べて1.8ポイントも急落した。1月6.5% → 2月5.3% → 3月3.9%と毎月下落している。3月は民主党の政党支持率(6.1%)にも水を開けられ、公明党(3.7%)にも抜かれた。安倍自民党の支持率が1月37.8% → 2月40.4% → 3月40.1% → 4月43.6%と堅調に推移していることもあるが、維新自身の「政治的な立ち位置」が不鮮明になっていることも大きいだろう。

 全国の有権者に最も分かり難かったのが石原慎太郎・前東京都知事が立ち上げた新党との合流。「橋下個人が石原さんが好きだというのだから仕方がない」と維新幹部が呆れるほど、政策議論抜きでの統合が実現した。

 また、橋下氏は安部晋三首相にも接近。憲法改正の発議要件を定めた96条の改正を目指す点などで共闘する姿勢を伺わせている。当初は「改革政党」の色彩が強かったものの、急速に「保守」カラーを強めている。こうした「政党」としての分かり難さが、政党支持率が下がっている理由と見ることもできる。

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