2013.04.25(Thu)

事業は10年単位で考えたほうが良く、5年ほど経過したら次の一手を仕込むべき。それが弊社の場合は海外事業です。

楽天トラベル 岡武公士

週刊現代
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ネット上での予約に特化し、国内旅行取扱額でJTBに次ぐ第2位に成長した楽天トラベル。'96年に日立造船情報システムの子会社、日立造船コンピュータにより『ホテルの窓口』(のちに『旅の窓口』)として設立され、'00年代前半に楽天による買収などを経て『楽天トラベル』へと改組した経緯を持つ。当初は出張時の航空便、ビジネスホテル予約に強みを持っていたが、現在は海外旅行の市場にも積極的に進出する。社長は、'96年の設立当初から事業を先導してきた岡武公士氏(53歳)だ。

事業は10年単位で考えたほうが良く、5年ほど経過したら次の一手を仕込むべき。それが弊社の場合は海外事業です。おかたけ・まさし/ '59年12月1日東京都生まれ。'84年、龍谷大学経済学部卒業。同年4月に日立造船情報システムへ入社。'96年4月『ホテルの窓口』プロジェクトマネージャーへ就任、'02年8月から楽天トラベルの立ち上げに関わり、'07年より現職。楽天ANAトラベルオンライン取締役、楽天バスサービス会長なども兼任

黎明期

 当社は「社内の会議室予約システムが発展してできたようなもの」と言えるかもしれません。日立造船コンピュータでは'93年頃から、社員のスケジュール管理や会議室の予約がネット上でシステム化されていました。そして'96年に「このシステムで物販を始めよう!」と世の中へ打って出たのです。

 ところが、まだネットが普及していなかったためか、紳士服大手に出品を打診すれば「画面では色が見えない」と断られ、飲食店を訪ねれば「宅配する人間がいない」と、皆さんに断られてしまった。後で聞いたことですが、楽天の創業時も似たようなものだったようです。その後、私たちはホテルの予約に絞り込みました。今思えば、物流を伴わず、情報のやりとりに特化できたため、売り上げが伸びたのです。

習慣=強み

 当初、ビジネスホテルの予約に絞ったことも奏功しました。仮に海外旅行専門サイトなら年に数回しかご覧いただけません。国内リゾート専門サイトも同様です。しかしビジネスホテルの予約サイトなら、出張が多い方であれば1ヵ月に何度もご覧いただけます。習慣的にサイトを訪れて下さるお客様が増えた、これも勝因の一つでした。

前へ!小学校3年生のときにサッカーを始め、大学在学中は関西学生リーグに所属。42歳になるまで趣味でプレーを続けた。写真中央が少年時代の岡武氏

PC音痴?

 じつは大学を卒業するまで、パソコンのキーボードさえ触ったことがなく、「キーはABCがあいうえお順に並んでいるもの」と思っていました。ずっとサッカー漬けで、コンピュータとは縁がなかったのです。就職活動では、自動車メーカーや製薬会社からも内定をいただいていました。日立造船コンピュータを選んだのは、何となく「将来伸びるのはコンピュータかな?」と思ったからです。

遮断機

 体育会系だったので、入社時の配属は、自他共に「営業だろう」と思っていましたが、実際はプログラマー。子供の頃から、図画工作も含め物作りが苦手だったのに、ですよ。ところが、次第に仕事が面白くなってきた。プログラマーは一般的に数年でSEになり、お客様と折衝しながら何を作るか決めて行く仕事もするようになるのですが、その辺りから、物を作る喜びに目覚めたのです。

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