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戦争が始まったらこうなる 北朝鮮vs.米・日・韓の戦い

緊急内幕レポート
週刊現代 プロフィール

〈朝鮮半島に近く戦争が起こる確率は、7割から8割くらいあるだろう。北朝鮮にとって武力統一は、昔からの既定路線だからだ。金正恩は、金日成と金正日が成し遂げられなかった祖国統一を、いまこそ果たそうとしているのだ。

 北朝鮮の国民は幼少時から、「朝鮮はアメリカと日本に勝利した軍事大国である」と教えられて育っている。金日成軍事総合大学の軍事関係者は、「アメリカを倒すのは、掌を返すくらい容易だ」と豪語しているほどだ。

 先日、朝鮮中央テレビは、3日間で韓国を占領するというシナリオの映像を流した。1日目に韓国の重要拠点を占領し、15万人の米兵を捕虜にする。2日目に韓国の大多数の都市を占領し、3日目にその他の地域を占領するというものだ。朝鮮労働党機関紙『労働新聞』は、「朝鮮は世界中でアメリカに対抗できる唯一の国である」と誇っているほどだ〉

 まさに皮肉たっぷりの筆致で北朝鮮の「井の中の蛙」ぶりを強調しているのだ。

 

 だが、張教授が述べている「7割から8割の確率で第2次朝鮮戦争が勃発する」という予想は、すなわち中国政府の見解に他ならない。前出の韓国国防部関係者が続ける。

「北朝鮮は、南北の局地戦ならば、米軍は参戦しないと踏んでいるようだ。だが、実際にはアメリカは、三つの条件さえ整えば、第2次朝鮮戦争に参戦する可能性が高い。それは、第一に北朝鮮の核やミサイルによって自国の脅威が増すこと。第二に戦争によって自国の兵士の損失が最小限に抑えられる見通しがつくこと。そして第三に中国の後押し、もしくは少なくとも黙認が得られることだ」

 前述のような習近平政権の"反金正恩政策"を見ると、金正恩除去に向けて米中が手を組むというシナリオは、十分考えられるのである。

死傷者は400万人

 それでは実際に、南北衝突となった場合、どのようなシナリオが想定されるのか。軍事評論家の世良光弘氏が解説する。

「第2次朝鮮戦争になった場合、北朝鮮は38度線沿いにある数千基の砲台から、ソウルへ向けて一斉砲撃します。合わせて、スカッドミサイルもソウルへ向けて撃ち込みます。

 しかし米韓は、その前にB2ステルス爆撃機を発進させ、精密誘導爆弾で38度線の砲門や主要ミサイル基地を爆撃します。B2爆撃機の護衛には、F22ステルス戦闘機が当たります。

 これに対し北朝鮮は、ミグ29戦闘機が迎撃しますが、まともに稼働するのは30機程度で、たちまち撃墜されるでしょう。その間にも米韓は、F15EストライクイーグルやB52爆撃機、ホーネット戦闘機などを投入します。また海からはトマホーク巡航ミサイルで平壌を爆撃します。そうして制空権を完全に押さえた後、戦車部隊やストライカー戦闘旅団などの地上部隊が38度線を越えて進軍します。

 こうして北朝鮮全域を制圧するには、3ヵ月くらいかかるでしょう。それでも山岳地帯の坑道に隠れるであろう金正恩の身柄を拘束するには、それ以上の時間がかかります」

 かくしてイラクのサダム・フセインのように、金正恩も拘束されて、戦争は完全終結となる。その後、北朝鮮には、米中韓、それに日本とロシアも加わった5ヵ国との協調政権が樹立されるというシナリオだ。

 だがこのシナリオが現実のものとなれば、第1次朝鮮戦争と同様、400万人規模の死者を出すだろう。ちなみに中国は、金正恩から亡命要請が来ても、断るという。

「週刊現代」2013年4月27日号より