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戦争が始まったらこうなる 北朝鮮vs.米・日・韓の戦い
緊急内幕レポート 危険な隣人たちと、ウブな日本人

米軍はどう動くのか

 北朝鮮情勢が、いよいよ緊迫してきた。

 韓国の国防部関係者が解説する。

「北韓(北朝鮮)は、中距離弾道ミサイル『ムスダン』の発射を東海岸(日本海)の元山から行うなど、東海岸に周辺国の目を向けさせています。だが攻撃の"本丸"は、あくまでも西海岸(黄海)だと国防部では見ています。

 北韓は、これだけ内外に挑発的な発言を繰り返しているので、何もしなければ、金正恩第一書記の名折れとなります。しかし本当にアメリカと戦争になれば、一溜まりもないことは重々心得ている。

 そこで、米軍を参戦させない範囲内で最大限の挑発をする可能性が高い。それには、首都ソウルに近い西海岸で暴発するのが、一番効果的だというわけです。

 具体的には、西海岸に浮かぶNLL(北方限界線)の南側にある5つの島を砲撃するのではと警戒しています。NLLは米韓が海上に引いた線で、北韓は認めていないので、彼らにとって攻撃の正当性がある。そして小島くらいの砲撃では、アメリカは参戦しないという読みもあるでしょう。実際、'10年11月に、北朝鮮が突如、5島の一角である延坪島を砲撃した時も、韓国側が泣き寝入りしました」

 前項でやはり「NLL付近が危険」と述べたソウル大学統一平和研究院の張容碩博士も続ける。

「北韓は4月9日に、南北和解の象徴と言われた開城工業団地を封鎖しました。ここは南北軍事境界線まで8kmの距離にあり、元々は朝鮮人民軍の基地があった場所です。そこへ再度、大量の朝鮮人民軍を配置し、韓国攻撃の拠点にしようということでしょう。北朝鮮との国境付近は、大変危険です」

 実際、38度線に近い韓国京畿道高陽市では、4月1日より「危機対応マニュアル」を市民に配り始めた。「核兵器・放射能攻撃時の行動要領」「化学兵器攻撃時の行動要領」「生物兵器攻撃時の行動要領」など、全10ページにわたる行動指針を記した、おどろおどろしいパンフレットだ。

 高陽市安全都市課の職員が語る。

「わが市は目と鼻の先が北朝鮮なので、すでに臨戦状態です。市民からの問い合わせが殺到したため急遽、10万枚のパンフレットを作成して市民に配付したのです。それでも市民からの問い合わせが日々、大量に来て、生きた心地もしない日々です」

 北朝鮮は4月9日、韓国国内の外国人に対しても、「韓国から至急離れないと責任は取らない」という警告を発表した。これによって韓国では、ラーメンや乾パンなどの非常食や、ミネラルウォーターの買い占めが起こっている。韓国はまさに、「第2次朝鮮戦争開戦前夜」といった緊迫した状況なのである。

 そんな中、ケリー米国務長官が、4月12日から15日まで、韓国、中国、日本と北朝鮮を取り巻く3ヵ国を回る、東アジア初外遊に出た。

 アメリカ国務省関係者が語る。

「わが国はいままさに、韓国と合同軍事演習の最中で、いつでも実戦に移す準備はできています。今回のケリー国務長官の3ヵ国訪問で最重要だったのは、中国訪問でした。新指導者の習近平は、金正恩を救おうとしているのか、それとも滅ぼそうとしているのかを、しっかり見極めようとしたのです」

 これまでの東アジア地図は、日米韓vs.中朝という対立の構図だった。前世紀末に世界の冷戦構造が崩壊したが、東アジア地域だけはいまだに、冷戦構造を引きずっているからだ。

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