参議院選挙を目前に自身たっぷりの安倍自民党と、不安を募らせる野党の駆け引き
〔PHOTO〕gettyimages

 安倍内閣は、高支持率を背景に、自信たっぷりに政権を運営している。逆に、野党第一党の民主党は、先の総選挙の敗北から立ち直れず、離党者が相次ぐなど、先の展望が見えない状況となっている。それを象徴するのが、先週行われた党首討論である。

 海江田代表は、アベノミクスの問題点を指摘したが、安倍首相にあっさりと反撃されてしまった。「民主党が3年間かけてできなかったことを、自分は3ヵ月で実現した」と言われれば、民主党代表に出る幕はなくなってしまう。維新の石原代表やみんなの党の渡辺代表は、安倍政権の批判というよりは、援護射撃をしているような雰囲気であった。

世論の振り子が気にかかる

 G20でも、日本の大胆な金融緩和策が承認されたし、円安が進み、株価が高騰する状況では、国民が安倍政権に高い評価を与えるのは当然である。円安は、ガソリン、灯油、小麦粉など、輸入品の値段をつり上げ、それが家計に悪影響を及ぼすという問題はあるが、企業業績の向上が従業員の給料にまで反映されるようになれば、その問題は無視できる。

 マンションの売り上げなどが伸びているが、それはアベノミクス効果に加えて、1年後に消費税が8%に上がることも影響しているのであろう。これから1年間は、住宅、車など、高額商品については、駆け込み需要も増すであろう。

 内閣支持率のみならず、政党支持率も自民党の圧勝である。自民党が50%、あとの政党は10%以下という一人勝ち状態である。国民は、3年半前には、政権交代を実現させ、民主党に大きな期待を寄せたのであるが、それがこのような様変わりである。民主党政権の3年3ヵ月にいかに失望したかということの現れであろうが、それにしても、この世論の振り子は気にかかる。

 6年前の参議院選挙に大敗した安倍首相、3年8ヵ月前の総選挙で政権を失った麻生首相が、今や総理、副総理である。これは、失敗しても再挑戦すればチャンスがあることを広く世に知らしめ、多くの失敗者に希望の火を灯すものであろう。しかし、有権者が過去のことなど容易に忘れることもまた示している。これも、ポピュリズム政治、テレビ政治の一側面であろうが、小選挙区制度の怖さも感じさせる。

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