長期政権の兆しが見えてきた!? 憲法96条改正問題を語る安倍首相の変幻自在な"投球術"とは
〔PHOTO〕gettyimages

 大型連休入りを前にして、憲法96条改正問題が政治イシュー化したかに見える。その極め付きは、『読売新聞』(4月16、17日付朝刊)による安倍晋三首相の単独インタビューである---。

 同紙16日付朝刊の一面トップに「首相、憲法改正『まず96条』―発議要件、参院選公約の柱に」というタテ主見出しが躍った。同紙が報じた「首相の憲法改正に関する発言骨子」を採録すると、以下の通りである。

▽参院選の中心的な公約として96条改正を訴える▽前文、9条のほか、環境権、知る権利などの明記も必要▽国民投票法で要請された成人年齢18歳への引き下げの問題に結論を出す▽集団的自衛権の解釈変更は、防衛大綱決定までに議論を詰める▽公明党の理解を得ながら日本維新の会などに協力を仰ぐ

「憲法96条の問題は参院選の争点になる」

 ここで96条改正問題が政治の表舞台に上がるまでの経緯をおさらいしたい。

 日本維新の会(共同代表: 石原慎太郎衆院議員・橋下徹大阪市長)が3月30日の党大会で発表した党綱領に憲法改正が盛り込まれた。

 改憲で共鳴する自民党側では、高市早苗政調会長がいち早く呼応し、4月6日の読売テレビの番組に出演、憲法改正で政界再編を促すと発言。同7日には、菅義偉官房長官が福岡市で開かれた『産経新聞』主催の「正論」懇話会で「憲法96条の問題は参院選の争点になる」と語った。ここで初めて「96条改正」が登場した。

 さらに9日午前の衆院予算委員会で安倍首相は「まず96条を変えて、新しい憲法を作ることが可能になれば議論が活発になる」と答弁した。同日夕、まるで事前の擦り合わせが行われていたかのように、安倍首相は官邸で橋下大阪市長と会談した。その席には、この間、接触を繰り返してきた菅官房長官と松井一郎大阪府知事(維新の会幹事長)が同席。

 そして10日、自民党の保利耕輔憲法改正推進本部長が記者会見で憲法96条改正案について、「参院選の前か、後か。安倍首相とよく相談して決めたい。いつでも出せる」と述べ、安倍官邸と歩調を合わせた。

 もちろん、その間には連立のパートナーである公明党の山口那津男代表、そして日本維新の会との選挙協力を模索するみんなの党の江田憲司幹事長はともに記者会見で参院選での96条改正の争点化に否定的な見解を示している。特に公明党は、支持母体の創価学会内に早期の憲法改正に否定的な声が少なくないので、参院選での争点化に慎重なのだ。

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