カイジ「命より重い!」お金の話
【第3回】 経済学の罪 ~「借金の利息は、お金のレンタル料」ではない!


漫画『賭博黙示録 カイジ』とは?

自堕落な日々を過ごす主人公、伊藤開司(いとう・かいじ)。そのカイジが多額の借金を抱えたことをきっかけに「帝愛グループ」をはじめとする黒幕との戦いに挑んでいく大人気漫画。命がけのギャンブルを通じて、勝負師としての才能を発揮するカイジだが、その運命は果たして・・・。

(作者:福本伸行 講談社『週刊ヤングマガジン』で1996年11月号~1999年36号まで連載された作品)


【第2回】はこちらをご覧ください。

 消費者金融から借金をしている人のうち、1/3以上が「生活費の補てん」でした。給料が少なくて生活ができないから、日常生活費を補うために、ある意味「やむを得ず」消費者金融から借りているのです。

 「時代のせいだ」
 「弱者を切り捨てる世の中になったからだ」

 たしかに、時代の過渡期に、切り捨てられた弱者もいるでしょう。ですが、そうでない人たちも大勢います。

 生きていくために仕方なく、ではなく、浪費がかさんだため消費者金融を頼らざるを得なくなった人、もしくはなんとなく気軽に消費者金融を利用してしまう人がいます。

 どんな買い物をしようが、どうお金を使おうが、それはその人たちの勝手ですし、別に悪いことではないと思います。ただし、そのお金が「自分のお金」であれば。

 自分にお金がないのに、他人から借りて浪費してしまうのは、客観的に見たら「愚の骨頂」です。しかし、そんな「愚かな行為」をしてしまう人が後を絶ちません。

 一体なぜ?

 経済学に照らし合わせて考えると、彼らの心理が見えてきます。

彼らが浪費を止められない理由

 まず、この質問に答えてください。

Q1) あなたは以前からほしかった10万円のコートを買いに来ました。売り場で買おうとしたまさにその瞬間、隣町で9万7,000円で売られていることを知りました。さて、隣町まで買いに行きますか?

Q2) 3,500円の雑貨を買いに店まで来ました。商品を持ってレジに並んでいる時、隣町でセールをやっていることを知りました。なんと500円の大特価です。さて、隣町まで買いに行きますか?

 さて、Q1とQ2に、それぞれどう答えたでしょうか? コートは、「隣町まで行かず、今いる店で買う」、雑貨は「がんばって隣町まで行く」と考えませんでしたか?

 アメリカで同じような実験をした結果、多くの人が、Q1では「面倒だから、もうこの店で買う」と判断したのに対し、Q2では「隣町まで行く」と回答した人が多かったのです。

 じつは、この問いには、重要な示唆が隠されています。それは、「金額が増えれば増えるほど、ひとは1円を軽んじていく」ということです。

 Q1もQ2も、節約できる金額は同じで3,000円です。しかし、感じ方が違います。3,500円の雑貨を買うときには、「3,500円が500円になる! この3,000円は大きい!」と感じます。しかし、10万円の買い物をするときには、「たかが3,000円でしょ?」と感じてしまうのです。

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