【ピューリッツァー賞受賞を記念して緊急公開!】 中国政府を震撼させたNYT調査報道---温家宝首相一族が築き上げた27億ドルの「隠し資産」 〈後編〉
〔PHOTO〕gettyimages

取材・文/デビッド・バルボザ

ウィンストンと呼ばれる一人息子の投資歴

 今年のある日の夕方過ぎ、温首相の一人息子、温雲松が、北京のパークハイアットホテルにある高級ラウンジバー・スー(Xiu)にいた。そこに居た2人の客によると、デザイナーバッグを持ち高価なビジネススーツに身を包んだ北京のにわか成金たちに囲まれて彼はカクテルを口にしていた。

 中国では上級幹部の子弟は別格な存在だと広く受けとめられている。『太子党』として知られる彼らはアイビーリーグの出身者が多い。VIP待遇を受け話題の新株売り出しでは優先株を提供されたりもする。

 また、彼らは、国家が厳しく規制しアクセスコントロールする中国市場で、どういうワケかうまく立ち回れる存在としても知られる。ここ数年では、"ウィンストン"の英語名で知られ、40歳前後の若きミスター温ほど大胆な『太子党』はほとんどいない。

 ニューヨーク・タイムズによるウィンストン・温の投資に関する調査及び長年彼を知る人物へのインタビューによれば、温氏の取引は太子党仲間の基準から見ても広範囲で儲けの大きなものであった。

 国家が経営する巨大企業のチャイナ・モバイル(=中国移動)などは、彼と共同で数社起業した。近年ではハリウッドのスタジオと融資取引の談合中である。

 中国にエリート寄宿学校がないことを憂慮し、北京郊外に1億5000万ドルをかけて建設中の私立校を監督させるため、温氏はコネチカット州の名門寄宿制高校「チョート・ローズマリー・ホール」と「ホッチキス」から校長たちを雇った。

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