ブルーバックス
『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則』
ネイティブも驚いた画期的発音術
池谷裕二=著

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脳科学者が考案した画期的メソッド

 巷では「禁断の手段」といわれるカタカナ発音。しかし、問題なのは、カタカナ読みの振り方であり、正しい読みを振れば、ネイティブにも十分通じる発音が可能だ。
 脳科学者である著者が、アメリカ留学時代に試行錯誤の末に独自に考案した「13の発音法則」に従えば、「自分の話している英語がまるで伝わらない」という最悪の事態から確実に脱することができる。英会話の勉強に行き詰まりを覚えている人、必読の書。

いきなり英語社会に放り込まれた脳科学者を
救ったのはカタカナ英語だった!

What do you think about it?(どう思う?)は、
「悪酔い天下暴れ!」で通じる!
確かに通じる! ネイティブもビックリ仰天!
(※より正確には「ワルユーテンカバウレッ」とカタカナ置換します)

 ベストセラー『進化しすぎた脳』著者にして、気鋭の脳科学者がアメリカ留学時代に試行錯誤の末に考案した「13の発音法則」を惜しげもなく公開! 13の法則に基づく発音例を収録したCD付き

はじめに

 この本は、私がアメリカに留学していた頃に偶然生まれた何気ないアイデアに端を発して書かれたものです。

 アメリカに渡ったのは2002年の12月。当時の私を迎え入れたマンハッタンの街並みは華やかなクリスマスイルミネーションで飾られていました。洒落た装いでデートするカップル、充実した表情で闊歩するビジネスマン、珍しい犬を連れて散歩する老夫婦。同時多発テロのショックもようやく和らぎ、道行く人々に活気が戻りはじめた、そんな時期のニューヨークでした。

 アメリカで展開されている最前線の脳研究をこの目で見てみたい。できるならば最先端の研究に参加したい――長年の夢を叶えるために海を越えてやってきました。生まれてはじめての海外生活。期待と不安が入り混じった、いや、正直にいえば5%の期待と95%の不安を胸に抱いてニューヨークに降り立った、あの非現実的な感覚は今でも忘れられません。

 しかし、そんなワクワク感も束の間、華麗なニューヨークの街並みとは対照的に、しだいに私の心は零下10℃にもなろうかという気温と共に沈鬱してゆきました。

 理由は1つ――そう、言語の壁でした。話したことが通じないのはおろか、相手の話す内容がさっぱり理解できなかったのです。

 中学・高校と手を抜くことなく英語を勉強してきましたが、英語という科目は当時から学期テストで足を引っ張る苦手教科でした。実用英語技能検定(いわゆる英検)は今でも4級のままですし、TOEFLやTOEICは一度も受験したことはありません。英会話スクールなんて、下手な英語をクラスで披露するのが恥ずかしくて、通おうと考えたことさえない。それが留学前の私でした。

 もちろん、そんな英語力では現場で歯が立つわけがありません。地下鉄の乗り方もわからない。注文しても希望の料理が出てこない。道を尋ねても聞き取ってもらえない。せっかく答えてもらっても聞き取ることもできず、私にできることといえば不気味な笑顔を返すことだけ。レジでは言われた値段と違う金額を払ってしまう。銀行の窓口では全く相手にされない。タクシーに乗せてさえもらえない屈辱も味わいました。

 アパートの契約、電気・ガスの開通、電話回線の開設、テレビの契約。飛び込めばなんとかなるだろうという楽観的な憶測は見事にうらぎられ、プライドも完全に崩れてしまいました。いま考えれば、そんな人間がいきなりアメリカで最先端の脳研究を展開しようなど、無謀な計画にほかなりませんでした。