古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン 動画版Vol.001
第3回「原発事故の手抜き除染は起こるべくして起こった」

第1回「軽減税率という政策の下にある団体利権」はこちら
第2回「税金の使い途に責任を問われない財務省『官民ファンド』の動きに注意すべき」はこちら

除染の「真実」に向き合うということ

古賀: 3つ目のテーマですが、手抜き除染の件です。先週の金曜日に、環境省が「いろいろ調査しました」と言って、手抜きがあったと認めたものが、なんとたったの5件。

Gbiz: 今後の調査によってはまだ出るかもしれないけれど、不適切な事例は今のところ5件だという。

古賀: それで監視を増やしますという。ところが現場の人に聞くと、「これは起こるべくして起こったんですよ」というんですね。もちろん、手抜きというのは許されることではないから、手抜きをやっている人たちが正しいというつもりは全くないんです。要は、除染というのはそんなに簡単にできるものではないんだということなんです。それは、「できない」と言っているわけではないかもしれないけれど、やるにはそうとうの時間、そうとうのおカネ、人手をかけてということになりますから、やりたくてもできないんですよと。

それをなにか机上の空論で、だいたい1件これぐらいでできるだろうみたいなことで、この地域は除染するのにこれぐらい時間がかかりますよ、5年後にはこうなります、10年後にはこうなりますと・・・・・・。

Gbiz: 機械的に、広さが何平方キロメートルだから、単位面積あたりの費用を掛けて総額いくらという話になりますよね。

古賀: ところが、実際にやってみたら全然違った、しかも1件1件状況が違うということなんですね。空間線量を下げるということなんだけど、地面をキレイに、あるいは屋根をキレイにして終わりではなく、周りから来る放射線量を減らさなくてはならない。

 これは、やってみたらなかなか下がらない。せっかく除染して放射線量を下げたと思ったら、雨が降ると山の上から汚染された土砂や水が流れてくるのでまた上がっちゃう。ということで、除染というのは難しい。どうしても移染──どこかへ移すだけのことになる。しかも場所ごとに地理や環境は千差万別だから、画一的なマニュアルに従ってやるというのはムリだ。

 ですから基本的には現地に任せるということが必要ですね。自治体中心に住民と協力して、この地域はこうやって除染しましょうと、一件一件計画を立てないと、ムリなんですよ。ただ、それは膨大な作業になります。

Gbiz: すごいことになりますね。

古賀: 自治体もちょっとかわいそうなのは、そういう本当のことを言いたいんだけれど、本当のことを言うとべらぼうなおカネを要求することになる。

 今まで5兆円でやると言っていたのが、10兆円ぐらいかかることになるかもしれません。これは最終的には東電に負担させるんだけど、当面は国や自治体が立て替えるわけで、地元の人たちから見ると、なんか自分たちがワーワー言うことによって、すごい負担を国や自治体に要求している形になって、その金額が半端じゃないから、そんなこと言ったってできっこないよねという半ばあきらめのような気持ちがあるし、あまり声高にそれを言っていくと、実は除染なんてできないんじゃないのかという話につながるのではないかと。

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著者:古賀茂明
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