古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン 動画版Vol.001
第2回「税金の使い道に責任を問われない財務省。『官民ファンド』の動きに注目すべき」

第1回「軽減税率という政策の下にある団体利権」はこちら

「官は正しい」という前提は正しいか?

古賀: 経済政策でもうひとつ、非常に気になるのは、「官民ファンド」です。今、民間の投資が冷え込んじゃった。本当はもっといろいろ投資できるはずなのに、民間が委縮しているから、じゃあ官が出ていこうという発想なんですね。民が出ていかないから、しょうがないから官が出ていくという。

Gbiz: 民と一緒にということですね。

古賀: そうです。官が呼び水的におカネを出して、民間がそこにくっついていくという話なんですけど、実際は官が中心に動いていく例が非常に多い。

 困っている中小企業に対して、少しの融資だけでは借金を返すだけで終わってしまうから出資ないし、準出資してあげられるファンド。あるいは、防災・減災に資するようないろいろな工事をやるためのファンド。ありとあらゆるところに官民ファンドをつくろうという話があります。

 ただ、よく考えるとこれは非常に変なんです。なぜかというと、民間ができないから官が出るというけれど、じゃ、なんで官がやると投資がうまくいくのか、ということなんです。民間から見ると、いや、まだまだ景気が悪いし、こんな事業に大金を費やすと、とてもじゃないけどうまくいかない。そんなことをしたら株主に大変申し訳ない。ということで、やめておこうと言っている、あるいは、いろいろなベンチャーとか、なにかやろうとしているけれど、民間じゃ危ないからやめておこうとプロジェクトがたくさんあるわけです。それがなぜ、官なら出ていけるのか。

 官僚が入っているからでしょうか。でも、それはどう考えてもおかしいわけです。官僚に、そんな民間の人たちを超えるビジネスの才覚、あるいは危機能力とか、CIAみたいな情報があるのかといえば、そんなことはないわけですから。

Gbiz: 情報に関しては、もしかしたら政府ならではの高度な情報があるのかもしれないという気もしますが、決してそんなことはない?

古賀: ないですね。今回のアルジェリアの事件を見ていてもわかりますけれど、結局、日本の商社と外務省のどちらが情報を持っているのか、よくわからないですから。

 むしろ政府が入ってくると、始めたらやめられないとか、いろいろ苦い失敗の経験があるんです。過去に失敗した歴史では、国際的な案件で有名な例として、IJPC(イラン・ジャパン石油化学)があります。

 イランで石油化学プラントをつくるというプロジェクトで、あれは日本政府が数千億、入れたと思います。ところがイラン・イラク戦争があって危ないぞということになったわけです。欧米のいろいろな企業や政府がやっていたプロジェクトはどんどんイランから撤退していった。ところが日本は撤退がいちばん遅れたんです。

Gbiz: それはどういう理由からですか。

古賀: 結局、官が入っているとやめられないんです。

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著者:古賀茂明
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