一票の格差を是正するために、まずは緊急避難的に区割りを決めて「0増5減」の実行を!
〔PHOTO〕gettyimages

 一票の格差が大きな問題となっている。高裁で違憲判決が続き、2つの高裁では選挙の無効までが宣言された。これは、司法の側から、立法府に突きつけられた注文である。国会は早急に対応しなければならない。

 そもそもは、前回の総選挙について、2年前に最高裁が違憲状態だとの判決を下したことを受けて、昨年末に「0増5減」法が自公民やみんなの党、維新、新党改革などの賛成で成立したのである。

 しかし、それを具体的に決めるための区割り改定法が成立する前に、野田首相が衆議院を解散してしまったのである。その後、一票の格差をめぐる訴訟が各地で起こされ、高裁による違憲判決が相次いだ。

 それに背中を押されるように、4月12日、政府は、区割り法案を閣議決定した。遅きに失したとはいえ、とにかくこれだけは急いで成立させるべきである。同じ日本人なのに、自分の一票の価値が、他人の半分以下しかないのなら、投票に行く気になれないという有権者がいてもおかしくない。

緊急避難として、まずは「0増5減」を

 昨年末の総選挙が戦後最低の投票率だったのには、そのような事情もあるのだろう。緊急避難的に、区割りを決めて、0増5減を実行に移し、違憲状態を脱却すべきである。新党改革は、すでに昨年6月に、与野党協議の場で、この主張を展開している。

 民主党など他の野党は、「0増5減」と共に、選挙制度の抜本的改革を行うことを要求して、区割り法案の審議入りも拒否する姿勢である。それは、与党の自公両党が、「0増5減」のみをつまみ食いして、抜本改革には応じないのではないかという疑いを持っているからである。せめて、定数削減のみでも同時に行うべきだと主張して、容易には入口に辿り着かないないようにしている。

 しかしながら、各党の選挙制度改革案は大きくかけ離れており、今国会中に妥協案を成立させるのは困難である。そこで、せめて定数削減を一緒に実行すべきだという主張をする党もいるが、今の小選挙区比例並立制を前提にしたままで、定数削減のみを行うのは、いかがなものか。したがって、とりあえずは、緊急避難として、「0増5減」を決めたほうがよい。

 その上で、各党協議会を設置し、選挙制度の抜本改革、そして、その関連での定数是正を行うとよい。自公両党は、協議会の設置を迅速に決めて、改革への歩みを進めるべきである。年内、早ければ、7月の参議院選挙前にも、最高裁の判決が出る可能性がある。

「憲法違反状態」から、さらに進んで「違憲」という判断が下されるであろうし、「無効」という判決が絶対に出ないという保証はない。もし無効ということになれば、今の衆議院議員は皆、その資格を失ってしまう。何としても、区割りを早く決めなければならない。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら