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中国一の有名人 人民解放軍にも影響力あります
習近平より「怖い女」彭麗媛をご存知か

 コワモテの隣国の新指導者に、さらにコワモテの夫人が外交デビューした。国民的歌手にして人民解放軍少将という習近平夫人は〝現代版西太后〟なのか。北京で、その知られざる素顔を追った。

資生堂の化粧品が大好き

「中国人にとっては、習近平主席夫人の彭麗媛ではなく、歌手・彭麗媛の夫である習近平主席なのです。それくらい彼女は、中国で国民的歌手です」

 こう語るのは、『習近平共産中国最弱の帝王』の近著がある産経新聞北京特派員の矢板明夫氏だ。

 習近平新主席が、初めての外遊(3月22~30日、ロシアとアフリカ3ヵ国)に彭麗媛夫人を同行させたことで、このファーストレディの動向に、世界の視線が集まっている。

 中国でも、この時の彭麗媛ファッションは大々的に報道された。

 例えば、大手ネットメディアの「網易」は、詳細な写真付きで次のように誉めたたえた。

〈3月22日午後、モスクワ空港のタラップから降り立った時、深い色のコートは(モスクワの)冷気とマッチし、真珠のイヤリングと水玉スカーフの配合、ベルトの締め方、コートとスカートの長さ、靴の長さなどコーディネートは完璧だった。しかもどのグッズにもロゴが付いていないのだ〉

 中国共産党機関誌『人民日報』が発行する中国最大の国際ニュース紙『環球時報』(3月28日付)も、以下のように報じた。

〈習近平主席の妻で、第一夫人の彭麗媛夫人が、国産ブランドを身につけて、国産ブランドの発展の扉を開けた。第一夫人は民族ブランドを牽引するモデルであり、それによってわれわれの中国文化への自信も強まっていくであろう〉

 今回の外遊の彭麗媛ファッションを担当した広州のブランド『例外』の社員が誇らしげに語る。

「彭麗媛教授には昔から、われわれ『例外』ブランドを贔屓にしていただいています。今回の外遊のファッションは、環境に優しい素材というテーマで、すべて手作りで行いました。中国ブランドが支持を受けて、大変嬉しく思います」

 中国メディアはまた、彭麗媛効果で、ファッション関連株が急騰していると伝えた。習近平主席の背広などを仕立てた大楊創世が10%以上高騰して取引停止になったのを始め、彭麗媛ファッションに関わった企業は軒並み急騰した。

 ちなみに上海市場はこれまで習近平主席のせいで、3度の大暴落に陥っている。1度目は、'07年10月の第17回共産党大会で、習近平の事実上のトップ後継が決まった時。2度目は昨年11月8日に、習近平の総書記就任を決める第18回共産党大会が始まった時。そして3度目が、今年3月5日に習近平の国家主席就任を決める全国人民代表大会が開幕した時である。

 それが今回ばかりは、彭麗媛のおかげで株価も急上昇と、中国官製メディアは強調しているのだ。

 だが、冒頭の矢板特派員は、こうした降って湧いたようなファーストレディ礼賛報道を、冷淡に見ているという。

「他にも、彭麗媛がある宴席に出席した際、若い歌手が舞台で歌っていたが、宴席の人たちは、自分たちのおしゃべりに夢中で、誰も聞いていなかった。その時、彭麗媛が、『皆さん、ちゃんと歌を聴きましょうよ。私は歌手だから、歌い手の気持ちが分かるんです』と周囲をたしなめたというのです。実に白々しい報道です。

 今回の習主席の外遊については、中国当局が、新主席の初外遊に合わせて彭麗媛特別チームを作って演出し、国内マスコミにイメージ操作して報道させただけのことです。習近平政権は、深刻化する社会問題を改善することもできず、国民の不満が高まる中、少しでも彭麗媛人気にあやかろうという戦略なのでしょう」

 たしかに、本誌記者はかつて彭麗媛夫人を北京で見かけたことがあるが、愛用ブランドは、国産の『例外』ではなく、フランスのクリスチャン・ディオールだった。

 また、愛用の化粧品も中国産ではなく、資生堂だという。彭麗媛夫人をよく知る東京在住の中国人が証言する。

「反日派の夫と違って、彭麗媛は大の日本贔屓、というより日本製品贔屓で、これまで何度となく訪日しています。東京での定宿は帝国ホテルです。なぜなら帝国ホテルから目と鼻の先の銀座で買い物しやすいから。毎回の訪日時には、資生堂の高級化粧品を大量に買って帰っています。

 最後に訪日したのは、'09年11月でした。その翌月に訪日した夫の習近平副主席(当時)が、天皇陛下に会う会わないで大モメにモメたため、それ以降は大好きな銀ブラを自粛しているのです」

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