佐藤優さんに質問「沖縄の基地移設問題は差別的な潜在意識が国側にあるように思えてなりません」
佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」vol011 質疑応答より
【佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」Vol.011 目次】
―第1部― インテリジェンス・レポート  ■分析メモ(No.25)「休戦協定『全面白紙化』によって、北朝鮮は何を狙っているのか」
 ■分析メモ(No.26)「国連武器輸出条約の採択」
―第2部― 読書ノート
読書ノート No.25~No.29
―第3部― 質疑応答
―第4部― 文化放送「くにまるジャパン」発言録
―第5部― 佐藤優さんの今後の予定(5月上旬まで)

質問:沖縄の基地移設問題は差別的な潜在意識が国側にあるように思えてなりません

 今回は、沖縄に関する質問をお願いいたします。

 先の24日、辺野古の埋め立て申請を国が県に対して行ったという報道がありましたが、どうしてこのような時期に、防衛省はあえて無理に判断を迫るようなことを沖縄に対してするのでしょうか? 国の方にも抜き差しならない理由があるのでしょうか? 対中国関連で防衛力の強化をということであれば、尚更、地元地域の不安定化につながるような行動は慎むべきだと思うのですが・・・・・・。どうしても理解できません。

 その一方で、報道による沖縄の仲井真知事のコメントを見ると、非常に大人の対応をしているように見受けられます。もしかして、別のチャネルを使って、たとえば「日米地位協定の抜本的改定」といったようなことが国から県に対して打診されているといったことはないでしょうか?

 私自身は、今回のこの行為が、沖縄が真剣に独立を模索する方向に舵を切る一つのきっかけにならなければ良いがと感じております。それにしても、一連の基地移設問題に関する報道を見るにつけ、どこか沖縄を下に見ているような、差別的な潜在意識が国側(官僚側?)にあるように思えてなりません。(匿名希望)

【佐藤優さんの回答】 今回の辺野古移設強行に向けた動きは、明らかに防衛省が主導しています。外務省は「お手並み拝見」という感じで様子を見ています。首相官邸や自民党の政治家は、安倍内閣の支持率が高いので、この機会に普天間問題を解決することができるだろうと、あまり深く考えずに、防衛官僚のシナリオに乗っているのだと思います。

 差別が構造化している場合、差別している側は、通常、自らが差別者であることを認識していません。それだから、こういうことが起きるのです。

 中央政府が日米地位協定改定を沖縄に密かに打診するというシナリオはありえません。改定するならば、それを最大限にアピールして、中央政府として、沖縄の民意の懐柔を図るからです。

 仲井真知事の対応が穏健なのは、もはや沖縄は中央政府の強引な政策を黙って受け入れるような弱体集団ではないという自信があるからです。中央政府が、防衛官僚に煽られて、強引な政策を進めると、深刻な事態に発展すると私は見ています。沖縄の中央政府からの遠心力は高まりますが、それが独立まで進むということについて、私は懐疑的です。ただし、日本国家内で沖縄が主権を回復するというシナリオは十分あると思います。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら