「アベノミクスの景気回復は、公共事業頼みになる」と示唆している本『「資本論」を読む』
佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」vol011 読書ノートより

読書ノート No.25

伊藤誠 『「資本論」を読む』 講談社学術文庫 2006年

 アベノミクスをめぐる経済学者、経済評論家などの見解は、神学論争を彷彿させる。あらかじめ、アベノミクスを絶賛するか、非難するか、結論が決まっていて(多くの論者が無意識のうちに立場を決めているのであろう)、それにあわせて、主流派経済学の論議を当てはめている。アベノミクスはもとより、通貨、マネー、期待などの基本的な術語についても、論者によって意味、内容が異なっており、論理学で言うところの同一律(A=A)違反が頻発している。この種の神学論争を、信仰を共有しない者は、一定の距離をとって観察することが重要になる。

 主流派経済学(近代経済学)は、自らのイデオロギー性について無自覚だ。これに対して、宇野経済学の系譜に連なるマルクス経済学は、イデオロギーを括弧の中に入れて、論理整合性を重視した経済理論を展開しようと努力している。

 伊藤誠氏は、『資本論』のマネタリーな側面に注目し、・・・・・・(以下略)

このテーマについて深く知るための「連読」3冊
経済原論』 宇野弘蔵 岩波全書 1964年
経済学 上巻』 宇野弘蔵編 角川全書 1956年
経済学 下巻』 宇野弘蔵編 角川全書 1956年
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