大宅賞受賞『カウントダウン・メルトダウン』著者船橋洋一に藤野英人が聞く【後編】 「原発事故が明らかにした『権力のカラクリ』を国民が学ばなければ危機に強い社会はできない」
[左]船橋洋一氏(一般財団法人日本再建イニシアティブ理事長)、[右]藤野英人氏(レオス・キャピタルワークス取締役)

聞き手: 藤野英人(レオス・キャピタルワークス取締役)

【前編】はこちらをご覧ください。

ホアンインゼンインアホ

藤野: しかし、事故発生当初、枝野幸男さん(当時の官房長官)は、うまく会見をしていましたよね。

船橋: 最初は良かったですね。しかし、「ただちに影響はない」も、2、3日経つと信憑性が薄れます。そして、後になって「実は影響があった」とわかると、信頼を失います。

 ただ、ツイッターでは枝野さんを応援する「#edano_nero」というハッシュタグができましたね。これは藤野さんから教えていただいたんでしたね。連日会見を行っている枝野さんを心配した人たちの間から、自然に生まれたものだと。

 一方で、「#kan_okiro」というものもありました。官邸では、これを菅さんに知られるのを相当恐れていたようです。

 あと、ツイッターでは「保安院全員アホ」というのも流行りましたね。これも藤野さんに教えてもらったのですが。

藤野: 回文になっているんですよね。「ホアンインゼンインアホ」と。

 しかし、ハッシュタグの発生を見ても、菅さんはふがいないが枝野さんは頼れるという雰囲気があったのは確かです。

船橋: この危機に当たって、政府は一体何をしてくれるのか、国民の命を守る意志はあるのかと問われていたわけです。その思いの発露が、インターネット上に溢れました。