話題の本の著者に小幡 績 「アベノミクス」は若者を苦しめる。 礼賛するわけにはいきません。

2013年05月01日(水) フライデー

フライデー賢者の知恵

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—「経済の本は難しい」と敬遠しがちですが、本書は平易な言葉で、大変読みやすいですね。なにか狙いはあったのでしょうか。

 リフレ政策による恩恵を受けられず、経済的打撃を受けるのは、20代以下の若い世代なんです。円安で守られるのは、中高年の熟練労働者と経団連などに所属する大企業の中高年世代。株を持っているのも、年金も退職金もしっかりもらって、悠々自適の退職後の人生を送っている団塊世代。だから20代に届くように、わかりやすい言葉で書いた。極端な言い方をすれば、タイトルの「ヤバい」を見て、「リフレっていいんだ」と思ってしまう、つまり「ヤバい」をポジティブな意味で使っている人たちに読んでほしかったのです。

 いまの若者が使う、ポジティブな意味の「ヤバい」は、もともとエクスタシーを感じたときのギャル語が語源といわれています。その意味では、まさに「リフレはヤバい」んですよ。リフレによって短期的な経済快楽=エクスタシーは得られるが、経済を堕落に追い込む危険を秘めている。僕は経済学者。そんな政策を礼賛するわけにはいかないんです。

著者オススメの2冊

デフレーション』吉川 洋
日本経済新聞出版社 1890円

東大で経済学を教える教授が、デフレの要因をシンプルに説明した一冊。「デフレは金融的現象という俗説を論破している。『経済学の常識』としてデフレやインフレを片づける経済学者や評論家の本とは一線を画す本」

 

 

下り坂社会を生きる』島田裕巳×小幡 績
宝島社新書 680円

これからの日本は「下り坂」に向かうことを前提として書かれた、生き方の指南書。「日本がかつての高度成長に戻るには、といった議論はもう意味がない。郷愁に浸るのではなく、今を生き、未来に備えるために読むべき一冊」

 

 

おばた・せき/'67年生まれ。'92年東京大学経済学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省。'99年退職し、'03年より慶應義塾大学大学院准教授。主な著書に『すべての経済はバブルに通じる』などがある。写真は日本銀行の前で撮影

「フライデー」2013年4月19日号より

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