公的年金に「Invest in Japan」の哲学を! アベノミクスの目指す成長戦略に不可欠なGPIFによる明日への投資

 日本経済を再生へと導くために矢つぎ早に手を打っている安倍政権のアベノミクス。市場の期待は大きく円安株高の流れが続いているが、この基調を持続し、再び日本経済を成長軌道に乗せるには、アベノミクスの3番目の矢である「成長戦略」の成功こそ鍵になる。

 将来に向けた成長戦略という視点に立てば、ベンチャー企業など、日本経済の新しいエネルギーをどう生み出し育成していくか、また再生可能な企業を強い企業として再生できるかが、今後100年の日本の運命を左右すると言っても過言ではないだろう。

「リスクマネー」の供給

 ベンチャー企業は、イノベーションと雇用を創出する存在として、日本経済の将来に欠かせない重要な役割を担っている。革新的な技術や独創的なビジネスモデルを生み出し、新産業の創出や産業活性化、雇用の拡大に大きく寄与する。

 ところが他の国々に比べて、わが国のベンチャー育成の現状はいまだ途上段階である。米国は言うに及ばず、ベンチャー企業が国の経済成長やイノベーションに大きな役割を果たしている国は多い。わが国の現状は、韓国にも後れを取っている。

 ベンチャー育成のカギのひとつは、リスクの高い事業に挑戦する企業に、いかに十分なマネーを供給するかだ。わが国のベンチャー・キャピタル(VC)の資金規模はおよそ1兆円と言われているが、欧米における規模は軒並み数十兆円規模に達している。ベンチャー市場に成長マネーを呼び込むべく経済産業省もここ20~30年間音頭をとってきたが、未だ芳しい成果は上がっていない。

 アベノミクスの目指す成長戦略を成功させようと考えれば、VCや、企業再生ファンドなどプライベート・エクイティ(PE、非公開企業投資)の育成を政策の柱にしなければならないだろう。国内の民間・独立系PEの爆発的発展が必要だ。

 その原動力となる1つの大きな政策が、公的年金資金等の運用規制の見直しである。つまり、公的年金積立金や他の年金資金、大学等、準公的資金による「リスクマネー」の供給だ。