『咳の気になる人が読む本』
気管支炎、肺炎からCOPD、肺がんまで
加藤治文・福島茂=著

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咳をともなう病気はこんなに怖い!

 咳が出るのは、肺などの呼吸器にほとんどの原因があります。肺は人体最大の臓器で、それだけに病気になる人も多く、日本人の6人に1人が肺の病気で亡くなっているというデータもあります。本書では、肺の仕組みや機能に触れながら、咳や痰でわかる病気から、COPDや肺がんなどの深刻な病気までを解説します。

まえがき

「コホコホ」という他人の咳は気になるものです。それは、咳をする人は悪い病気を持っているかもしれない、と認識しているからでしょう。

 では、自分が咳をしたときはどうでしょうか。「軽い咳くらい大丈夫」と思いこんで放っておく人が多いようにみえます。しかし、他人の咳が気になるのなら自分の咳にももっと気を配ってほしいものです。

 心因的なものを除けば、咳が出るのは、肺などの呼吸器にほとんどの原因があります。肺は人体最大の臓器であり、私たちの身体に酸素を送り届けるために一日も休まずに動き続けています。その仕組みはとても神秘的なのですが、ほとんどの人は「呼吸はして当たり前」くらいにしか考えていません。しかし、その呼吸がくせ者で、呼吸のために肺は常に外気にさらされているため、病気にかかりやすい臓器でもあるのです。

 厚生労働省の患者調査(二〇〇八年)によりますと、「気管、気管支及び肺の悪性新生物」の患者総数は約一三万一〇〇〇人。喘息は約八八万人となっています。肺炎患者数は約七万七〇〇〇人です。COPD(慢性閉塞性肺疾患)という深刻な肺の病気では約二〇万人が治療中で、潜在的な患者数は五〇〇万人に及ぶとされています。「軽い咳」は、こうした呼吸器の病気の初期症状かもしれません。

 さらに、人は誰でも老いていきます。老化すると、肺の最大呼吸量、ガス交換量、肺活量などの能力が低下します。そうした老化現象に加えて、肺が病気になって酸素を体内・細胞に送る能力が低下したら生命の維持がピンチになります。このことが肺の病気で亡くなる人を多くしており、日本人のおよそ六人に一人は肺の病気で亡くなっているというデータもあるのです。

 咳が気になる人は、肺に問題があることが多いのです。肺を大切にして肺を病気から守るために、本書では、神秘的な肺の仕組みと仕事についてふれながら、咳と痰で分かる肺の病気や、肺がんの最新治療法、肺の病気を防ぐ方法などを解説します。

 本書によって、咳や肺の病気で苦しむ方が一人でも少なくなれば幸いです。

目次
第1章 咳はどうして出るのか?
 1 咳と痰とは何か?
 2 呼吸器と肺の仕組み
 3 肺の病気
第2章 咳の出る病気
 1 風邪
 2 インフルエンザとパンデミック
 3 肺炎
 4 肺結核
 5 胸の痛みが気になる人
第3章 呼吸不全・息切れになる病気
 1 呼吸が気になる人 
 2 喘息が気になる人
 3 息切れになる病気
 4 肺気腫
 5 COPD
第4章 肺がんの基礎知識
 1 肺がんの原因
 2 主な肺がんの特徴
 3 最新の肺がん治療
終章 あとがきにかえて

著者 加藤治文(かとう・はるふみ)
1942年岐阜県生まれ。医学博士。新座志木中央総合病院名誉院長。国際医療福祉大大学院教授、東京医大名誉教授。国際細胞学会、国際肺癌学会、日本呼吸器外科学会などの会長、日本肺癌学会、日本細胞学会、日本レーザー医学会などの理事長、理事など。

著者 福島茂(ふくしま・しげる)
1948年東京都生まれ。青山学院大卒。元朝日新聞記者。元東京都衛生局保健医療情報システム検討委員会委員など。
『咳の気になる人が読む本』
気管支炎、肺炎からCOPD、肺がんまで

著者:加藤治文
著者:福島茂

発行年月日:2012/09/20
ページ数:180
シリーズ通巻番号:B1787

定価(税込):840円 ⇒本を購入する(Amazon)


(前書きおよび著者情報は2012年9月20日現在のものです)