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『いつか罹る病気に備える本』
100の病気への不安が軽くなる基礎知識
塚崎朝子=著

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大事なのは病気の予防と早期発見

 人はいつか病気に罹るもの。高血圧、糖尿病、白内障から脳卒中、認知症、心筋梗塞、がん、うつ病まで。いろんな病気が貴方や親しい人の身に襲いかかります。でも、日頃から気をつけていれば、避けられるものも少なくありません。本書は、よくある病気の基礎知識を身につけて、予防と早期発見に役立てるための一冊です。

はじめに

 いつの頃からか、同世代が集まると健康談議に花が咲くようになるものだ。最初は親世代の悩みだったのが、やがて関心は自分の体の不調の話に移っていく。

 私は医学・医療の世界で文筆を生業としているため、こうしたときに助言を求められたりする。しかし、人の生死には直結しないとしても、体の悩みに生半可な受け答えはできない。必要なのは、専門の医師によるコンパクトで正確な医療情報である。

 そんな思いで書き続けたのが、『週刊エコノミスト』の「からだチェック」という連載だった。東京医科歯科大学の医師・歯科医師100人に取材して、さまざまな病気の基礎的な知識から最前線の治療方法に至るまで、信頼に足る医療情報を提供していただいた。本書は、それを一冊にまとめたものである。

 世の中には健康・医療情報が氾濫している。雑誌・テレビ番組では「健康もの」は定番の人気コンテンツだし、インターネット上にも健康情報はあふれている。本書の内容が、そうした他の媒体などと異なるのは、予防や早期治療に重点を置いて、いつか罹るかもしれない病気について手っ取り早くチェックポイントがつかめるようにした点である。数日間の摂生で健康診断をクリアしているようなビジネスマンや、多忙をきわめて自分の体と向き合う時間がとれない世代の人にとって、大事なのは病気の予防と早期発見だ。そのための知識を気軽に得て頂けるように工夫したつもりである。

 本書で取り上げた内容には、大学病院では日常的に診察しないような、ごくありふれた病気もある。しかし、その先に重大な病態がある可能性もあるので、必ずしも軽んじてはいけないと判断し、テーマに含めた。

 中高年が悩んだり、目にしたりする病名は一通り網羅しているつもりだが、100本と区切ったために、アレはあるのにコレはないと、バランスを欠いていることもある。実のところ、病には軽重はなく、その人が悩んでいるのなら、それは深刻な事態だ。ということで、どれもこれも大事なテーマである。

 一冊にまとめるに当たっては、まず、近年話題の「メタボリックシンドローム」を構成する疾患群を冒頭に置いた。メタボリックシンドロームとは、内臓肥満を上流として、次々とドミノ倒しのように病気を引き起こす状態で、肥満は〝万病の素〟ともされる。高血圧、脂質異常症、糖尿病などは、その先にある、あるいは合併しやすい病気である。大腸がんや乳がん、肝がんなど、さまざまながんも肥満と関係している。

 まず、メタボを知り、そこから先は、頭の上から足先までと章をくくり、なるべく患者数の多い病気が先に来るように並べかえた。冒頭から順に読んで頂いても構わないし、パラパラとめくり、気になる項目だけ読んで頂いても理解できるようになっている。気軽に手に取って、お悩み解決のヒントにしたり、いつか罹るかもしれない病気に備えたりして頂ければ幸いである。

著者 塚崎朝子(つかさき・あさこ)
ジャーナリスト。読売新聞記者を経て、医学・医療、科学・技術分野を中心に執筆多数。神奈川県立保健福祉大学非常勤講師。国際基督教大学教養学部理学科卒業、筑波大学大学院経営・政策科学研究科修士課程修了、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科修士課程修了。専門は医療政策学、医療管理学。
 
『いつか罹る病気に備える本』
100の病気への不安が軽くなる基礎知識

著者: 塚崎朝子

発行年月日:2012/11/20
ページ数:389
シリーズ通巻番号:B1794

定価(税込):1,218円 ⇒本を購入する(Amazon)


 
(前書きおよび著者情報は2012年11月20日現在のものです)