『シャノンの情報理論入門』
価値ある情報を高速に、正確に送る
高岡詠子=著

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情報は、なぜディジタル化できるのだろうか?

 現代の巨大な情報社会を支える情報科学の基礎はシャノンによって作られた。形のない情報をどのように表現し、情報の価値をどのように表すのか? シャノンの築いた情報理論を分かりやすく解説する。

まえがき

「コンピュータ」や「情報」といった言葉は知っているけれど,「その本質を数学的に示す」とはどういうことだろう? 情報源符号化定理,通信路符号化定理,通信路容量,標本化定理など,言葉は聞いたことがあるけれど,いったいどういうことなんだろう? という疑問をお持ちのかたも多いのではないかと思います.そんなみなさんに,ぜひ読んでいただきたい…….

 この本では,それまで曖昧な概念だった情報というものを,数量的に扱えるように定義し,情報についての理論(情報理論)という新たな数学的理論を創始した,クロード・E・シャノンという人に焦点を当て,彼が作り上げた「シャノンの情報理論」について難しい概念をなるべく使わないようにして話を展開していきます.

 私は,大学で情報科学,情報理工学を教えています.放送大学共通科目のテレビ「情報科学の基礎」など情報に関するいくつかの科目でも講師を務めています.担当科目の中で最初に触れるのがやはり「情報」という形のないものをどう扱っていくかということです.この本でも「情報とは何か?」「情報が伝達されるとは,どういうことか」という部分にフォーカスを当てることにしました.「情報とは何か?」と考えた時に触れるべきことがらは,「情報」そのものに加え,通信の他に,データの扱い,計算の方法,計算可能性などがあります.さらにコンピュータの原理である計算という概念を中心とし,アルゴリズム,プログラミング,計算量,万能性についても扱うべきですが,それらについては続編を期待していただきたいと思います.

 本書で扱う内容は「形のない情報を表現し,伝達する」ための数学的背景といってもよいでしょう.プログラミングや計算量の側面からは考えず,あくまでも「情報」という側面から考えてゆくことにしたいと思います.

 形のないものを数学的に導いていくので,若干の数式がでてきます.特に対数を多く使いますが,読むだけでは難しい方はぜひ紙とペンで計算をしてみてください.手を使って書くことによって脳が活性化すると言われているようですからぜひトライしてみてください.

 それでは,形のないものの世界へ Shall we go ?
 

著者 高岡詠子(たかおか・えいこ)
東京都に生まれる。慶應義塾大学理工学部数理科学科卒業、同大学大学院理工学研究科計算機科学専攻博士課程修了。千歳科学技術大学総合光科学部准教授等を経て、現在上智大学理工学部情報理工学科准教授。博士(工学)。国際基督教大学、明治学院大学非常勤講師。専攻は、計算機科学、データベース、プログラミング教育、情報教育。主な著書は『eラーニングからブレンディッドラーニングへ』(共著、共立出版)、『学びとコンピュータハンドブック』(共著、CIEC)など。
 
『シャノンの情報理論入門』
価値ある情報を高速に、正確に送る

著者:高岡詠子

発行年月日:2012/12/20
ページ数:185
シリーズ通巻番号:B1795

定価(税込):840円 ⇒本を購入する(Amazon)


 
(前書きおよび著者情報は2012年12月20日現在のものです)