資産運用失敗で宗務総長不信任緊急動議が可決! 宗会議員選挙に臨む高野山真言宗に求められるのは財務の透明性だ!

 2015年に空海(弘法大師)が開創してから1200年を迎え、大祭に向けた準備が進められている高野山真言宗(総本山・金剛峯寺)で、宗会(37名で構成される予算などの審議機関)運営を巡って内紛が発生、4月18日開票で宗会議員選挙が行われる騒ぎとなっている。

 俗世間から離れた和歌山県高野町に総本山を持つ真言密教であっても、運営方針を巡って対立もするだろうし、嵩じて内紛にも発展しよう。ただ、今回、その理由が「資産運用の失敗」であるのは、伝統仏教教団に似つかわしくなく、違和感がある。

 しかも、当初、これを報じた『朝日新聞』(2月27日付)は、「約3700の末寺から集めた檀信徒からのお布施も含まれた資金の運用に失敗。少なくとも6億8,000万円の損失を出した」と、批判的だった。また、それきっかけに実務を担う内局トップの庄野光昭宗務総長の責任問題に発展、宗会解散に至ったと書いた。

 信徒からの浄財が多い新興宗教と同じように、ハイリスクの金融商品に手を出して失敗した印象である。

 だが、これに庄野宗務総長は猛反発する。

庄野宗務総長と反庄野派の権力闘争

 3月1日付のホームページで、2月26日の第145次春季宗会において、「宗務総長不信任緊急動議」が提出され、17票対17票の同数で議長の決裁となり可決。「退職」か「宗会解散」に迫られた庄野総長は、退職を選ばず、宗会解散で「信を問う」ことにした理由をこう説明した。

 「不信任の理由は、運用損を認めず、運用益を過大にみせるという粉飾を行ったことと、弁護士事務所を利用して自己の正当化を図ったことの2つだが、退職することはこれを認めることに他ならない。失敗があったことは認めるが、粉飾の意図などなかった」

 そのうえで、財務部が作成した資産運用実績を公表。2002年4月から12年5月までの数字として、運用損失は朝日報道の通り、6億8,933万円だが、15億9,117万円の運用利益を出しており、差し引き9億184万円の黒字だと報告した。

 これは、どうなっているのか。

 内局は、公正を期すために、大手監査法人に依頼、運用開始の02年から今日までのすべての監査を実施、4月18日に選出された宗会議員に審議させるのだという。

 高野山真言宗関係者が内実を語る。

 「要は、現在、2期目の庄野宗務総長と反庄野派の争いなんです。ハイリスク商品に手を出して損失を出した事実はあり、数字の不備があったのも事実。それを不審に思った反庄野派の宗会議員が、庄野内局がまともな数字を出さず、ごまかしを続けていると、体制を覆す意向を固め、不信任案を提出、成立させました。

 ところが、総長がそれで退職すると思ったら、粘られてしまった。そこで宗会議員選挙に勝利、差し引きの利益が本当かどうかを、チェックするしかありません」

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら