F35部品は三原則の例外 政府決定
イスラエルへも日本製部品 揺れる「平和国家」[武器輸出]

航空自衛隊が導入する最新鋭ステルス戦闘機F35=米空軍ホームページから

 政府は、航空自衛隊の次期主力戦闘機F35に使われる日本製部品の輸出を、武器輸出三原則の例外として容認することを決めた。F35は米国など9カ国が共同開発した最新鋭機で周辺国と軍事衝突を繰り返すイスラエルも導入を予定。日本製部品がイスラエルに供給されると「国際紛争の当事国またはそのおそれのある国」への武器輸出を禁じる三原則に抵触する可能性が指摘された。輸出容認で国内関連企業の活性化が見込まれる一方、「平和国家」という日本の立ち位置が大きく変わるおそれも出てきている。

 108勝0敗。高いステルス性能や、味方のレーダーとの情報共有機能を備えた第5世代戦闘機が、1世代前の戦闘機と行った模擬戦闘の対戦成績だ。F35はこうした圧倒的な能力を持つ第5世代戦闘機の一つで、政府は11年12月、計42機の取得を決めるとともに、最先端の技術・ノウハウを取り入れるため製造への国内企業参画を決定。製造を主導する米ロッキード社からは「最終的には全部品の4割程度を日本製にしてもいい」との見解も示されていた。

 ところが昨年末、米政府がF35に適用する部品管理システム「ALGS」が、日本からの部品輸出を妨げかねないことが判明する。ALGSは、各国で製造されたエンジンや主翼などの部品を米政府が「プール」し、必要に応じてF35導入国に提供する仕組み。これはいったん部品を輸出してしまえば、すべてのF35導入国がそれを使う可能性があることを意味しており、政府内で「イスラエルが日本製部品を搭載したF35を使えば、『国際紛争を助長しない』という三原則の理念に抵触するのでは」との懸念が強まった。

 そこで政府が編み出したのが、「紛争には『良い紛争』と『悪い紛争』がある」という論法だ。F35の部品輸出を三原則の例外として認めた菅義偉官房長官の談話は、日本製部品の行き先が「国連憲章の目的と原則に従う国」に限定されると説明。加えて、過去に三原則の例外を認める際に必ず使ってきた「国際紛争の助長を回避」という表現を避け、代わりに「国連憲章を遵守するという基本理念は維持していく」との文言を盛り込んだ。国連憲章は他国の攻撃を受けた国による自衛権の発動や、国際平和・安全を回復する手段としての攻撃を認めており、紛争の恐れがある国でも国連憲章に違反しない限り武器の輸出は可能、との理屈だ。