『高校数学でわかる相対性理論』
特殊相対論の完全理解を目指して
竹内淳=著

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すべては、光速一定の原理から導き出された

 時空の概念を大きく変えた特殊相対性理論は、「光速一定」というただ一つの原理から導き出されマイケルソン・モーレーの実験の矛盾をみごとに解決しました。本書では、その導出から電磁気学との関係まで大学学部レベルの理解を目指します。

はじめに

「相対性理論」、誰もが一度はこの言葉を聞いたことがあるでしょう。20世紀初めの1905年に、スイスの特許局に勤める無名の青年アインシュタインが地上に送り出した理論です。

 当時の物理学は、ニュートンが生み出した力学と、マクスウェルが基本的な方程式をまとめた電磁気学から構成されていました。アインシュタインの相対性理論は、これら既存の物理学に大きな衝撃を及ぼしました。特に重要なのは、本書でこれから見て行くように、「時空間の概念を大きく変えた」ことです。このため学界での巨大な影響だけでなく、一般の人々にもアインシュタインの名と相対性理論という言葉が広く知られるようになりました。

 さて、このように有名で重要な相対性理論ですが、その中身を正しく理解できた人は、そう多くはないでしょう。本書を手に取った読者の中には、入門書を何冊か読んでみたが、どうも要領を得ないという方もいらっしゃるかもしれません。アインシュタインは1905年に特殊相対性理論を発表し、その10年後には適用範囲を拡大した一般相対性理論を発表しました。本書では特殊相対性理論を扱いますが、その数学のレベルは、実はそれほど高くないのです。高校の数学と物理学の知識があれば、特殊相対性理論をほぼマスターできます。

 本書では、ほぼ大学の学部レベルの相対性理論が理解できるよう構成を工夫してみました。これから相対性理論を学び始める方だけでなく、かつて学習を試みてつまずいてしまった方にもお役にたてることでしょう。ところどころ数学のレベルが上がるところがありますが、紙とペンを用意して手計算で確かめていただくと、理解が容易になることでしょう。本書を読破して、「おわりに」までたどり着いたとき、新たな時空間の描像が読者の皆さんの脳内に構築されていることを期待しています。

 それでは、相対性理論の旅に出発しましょう。

目次
第1部 ローレンツ変換からミンコフスキー空間まで
 第1章 相対性理論前夜――何が謎だったのか
 第2章 相対性理論の登場――アインシュタインの独創
 第3章 ローレンツ変換が教える異様な時空間――そこには常識と異なる世界があった
 第4章 ミンコフスキー空間――新しい時空間の描像
第2部 相対論的力学編
 第5章 相対論的力学の構築
 第6章 相対論的力学の体系化――4元ベクトルとテンソル
第3部 電磁気学編
 第7章 電磁気学と相対性理論――微分形のマクスウェル方程式
 第8章 電磁気学はどう変わるか?
 

著者 竹内淳(たけうち・あつし)
1960年徳島県生まれ。1985年大阪大学基礎工学研究科博士前期課程修了。理学博士。富士通研究所研究員、マックスプランク固体研究所客員研究員などを経て、1997年早稲田大学理工学部助教授、2002年より教授。専門は、半導体物理学。著書に『高校数学でわかるマクスウェル方程式』『高校数学でわかるシュレディンガー方程式』『高校数学でわかる半導体の原理』『高校数学でわかるボルツマンの原理』『高校数学でわかるフーリエ変換』『高校数学でわかる統計学』(講談社ブルーバックス)など。
『高校数学でわかる相対性理論』
特殊相対論の完全理解を目指して

著者:竹内淳

発行年月日:2013/02/20
ページ数:246
シリーズ通巻番号:B1803

定価(税込):945円 ⇒本を購入する(Amazon)


 
(前書きおよび著者情報は2013年2月20日現在のものです)