週刊現代
第三十一回 サラバ、哀しき排外主義よ
魚住 昭

 在特会デモに反対する「プラカ隊」だった。2月から会社員の木野寿紀さん(30歳)のツイッターでの呼びかけに応じて作られたもので、この日は数百人、デモ隊の2~3倍の規模に膨らんでいた。

 プラカ隊の女子大生(20歳)は「まさか日本で人種差別主義者がこんなに大手を振って歩くことになるとは思いませんでした。不況で国が弱ってくると、経済弱者にこんな人たちが出てくるんですね。怖いですね」と言った。

 男性会社員(42歳)も「日本の恥だね。ああいう姿が外国にもテレビで流れると思うと、頭に血が上っちゃってね。たまらんですよ。一緒にされたら」と怒る。

 沿道には「レイシストをしばき隊」を名乗る人たちもいた。コリアンタウンで市民や店舗に嫌がらせしたり、暴行を働いたりするネット右翼を邪魔するために結成されたグループだ。彼らは歩道からトランジスタメガホンで「ザイトク帰れ!」「恥を知れ! レイシスト」などと叫びつづけていた。

 民族差別に抗議するビラをまく「知らせ隊」の青年にも会った。これほど大がかりな反レイシズム運動が日本で展開されたことがあっただろうか。在特会グループも予想を遙かに上回るブーイングの嵐にうろたえていたようだ。

 人数、音量、プラカードの数や説得力において嫌韓デモは惨敗だった。日本もまだ捨てたもんじゃない。希望の灯が見える。

 私はデモの解散地点・柏木公園に行った。そして「ザイトク帰れ!」のコールを浴びながら引き揚げていく中井氏らの後ろ姿を見送った。あのECDのラップを口ずさみながら。

どんだけ悲しい悔しい恐ろしい
そいつがレイシズム そしてヘイトスピーチ
こんな世界があっていいわけがねー

・The Bridge 反レイシズムRemix ECDILLREME(c)石田義則

『週刊現代』2013年4月20日号より

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