『八重の桜』はいよいよ物語のヤマ場「会津戦争」へ! 大河ドラマならではの拘りを制作統括・内藤愼介氏に訊いた

2013年04月10日(水) 高堀 冬彦
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 この攻防戦が物語におけるヤマ場の一つだが、大河は関心度が高いため、雑誌やネットメディアがさまざまな観測で、「これが新たな見せ場だ」などと報じる。その中の一つが「視聴率アップのために綾瀬はるかの入浴シーンが計画されている」という一部の報道。本当なのだろうか?

 「ありません。なぜ、そんな発想をしなくてはならないのでしょうか。見てもらえば何だっていいという考えはありません」(同)

 根も葉もない話だった。

 「そもそも仮に綾瀬さんの入浴シーンが毎回あったら、そういうことを言う人たちは欠かさず見てくれるというのでしょうか」(同)

 確かに大河はお色気バラエティーではないのだから、入浴シーンは待ち望まれているとは思えない。

「会津の話を標準語でやるわけにはいかない」

 関心度の高い大河は、まるで"有名税"のような批判にもさらされる。1963年の『花の生涯』以来、計52本が制作されたが、いずれの作品にも酷評する声があった。どんなに高視聴率を記録しようが、「史実と違う」「実際の人物より役者が二枚目過ぎる」などといった声が上がる。

 『八重の桜』の場合、「会津弁が聞き取りにくい」と苦言を呈する識者たちがいる。しかし、内藤さんは首を傾げる。

 「会津の話なのですから、標準語でやるわけにはいきません。それとも、すべてのドラマを標準語でやれとでも言うのでしょうか。それは地域の文化の否定に繋がりかねない気がします」

 振り返ってみると、『龍馬伝』(2010年)の土佐弁を酷評する識者はいなかった。どうも西日本の訛りは容認され、東日本の方言は蔑まれる傾向があるような気がする。サントリーの故・佐治敬三さんが1988年、首都機能移転問題に絡み、「東北は熊襲の産地。文化的程度も極めて低い」と失言し、物議を醸したが、いまだに東北への侮蔑感情を抱く人が一部にいるのではないだろうか。

 内藤さんは、こうつぶやいた。

 「最近の世の中には『なんでも分かりやすく』という風潮がありますが、それがすべて正しいのでしょうか・・・」

 実際、薩摩の西郷隆盛(吉川晃司)と覚馬が標準語で会話し、公家たちも京都の言葉を口にしなかったら、興ざめだろう。肝心なのは視聴者の意見だが、NHKには放送の開始当初こそ会津弁に対する注文がいくつか寄せられたものの、2月以降はほとんどないという。

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