キーワードは4つの「2」!? "次元の違う"緩和てんこ盛りに「したたかさ」も忍ばせた黒田日銀のサプライズ施策!
〔PHOTO〕gettyimages

 「今後2年をめどに消費者物価上昇率を2%に押し上げる」使命を帯びて発足した黒田日銀が先週木曜日、ついに具体策となる「量的・質的金融緩和」策を決定し、市場は「期待した以上の内容」と熱狂的なサプライズをもって受け入れた。

 その最大の柱は、「日本銀行が供給する通貨」(マネタリーベース)の量を来年末までに昨年末の2倍となる270兆円まで増やすこと。これは、リーマンショック以来、遅れをとっていた米欧金融当局との格差を埋めることを意味する。

 質の面では、やり方が拙く、やる気がないのがミエミエだと批判されていた長期国債の買い入れ方法の変更も打ち出した。これは、必ずしも黒田支持とは言えなかった、総裁の出身母体財務省も歓迎せざるを得ない施策だ。

 まだ、ある。専門家やメディアはほとんど指摘していないが、今回の施策で一番懸念されていた「過度なインフレ」の予防策を潜り込ませることも忘れなかった。市中にたくさんおカネを放出するが、戻ってくる量も増えるよう、日銀が受け入れる当座預金を増やすことになっているのだ。

 黒田日銀は、「積極果敢」一辺倒ではなくて、副作用をにらんだ対策も打っておく、相当したたかな中央銀行と言えるかもしれない。

日経平均株価は4年7ヵ月ぶりの高値引け

 黒田日銀が決定した「量的・質的金融緩和」に対する熱狂ぶりが一番よくわかるのは、その決定翌日(5日)の東京株式市場の動きである。

 前日に輪をかけて、この日も朝から買い注文が殺到し、日経平均株価は急騰した。いきなり前日比246円28銭高の1万2,880円82銭で寄り付いたのである。その後も買い意欲は旺盛で、朝のうちに1万3,000円を突破して、なんと同591円08銭高の1万3,225円62銭という、この日の取引時間中の高値を付けた。

 さすがに、午後になると、債券先物市場で猛烈な利食い売りが出たことに水を差された格好で、株式市場も伸び悩んだが、それでも、終値は前日比199円10銭高の1万2,833円64銭と、リーマンショック前の2008年9月1日以来ほぼ4年7ヵ月ぶりの高値を付けて1日の取引を終えたのだった。

 さらに特筆すべきは、この日の取引のボリュームだ。東京証券取引所市場第1部の売買高は64億4000万株と過去最高を更新した。

 市場関係者に取材してみると、皆が皆そろって興奮気味。今後数ヵ月の日経平均株価の高値のメドを訊ねると、「1万5,000円」「1万8,000円」と半年前なら考えられない強気な声が返ってきた。「日銀の決定にひっかけて、目標は2万円でいいのではないか」と冗談交じりに話すエコノミストまでいた。

 他の市場を見てみても、債券現物市場では朝方、新発10年物長期国債が買われて、一時利回りが0.315%と史上最低を更新したほか、金利の動きにも刺激を受けた東京外為市場が午前中に1ドル=97円台と3年8ヵ月ぶりの円安水準を付ける場面があった。

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