第2回 「オープンジャーナリズムが戦争報道を変える」
〔PHOTO〕gettyimages

 先日、ある民放局のラジオ番組に出演し、市民が電波を使って発信できる権利"パブリックアクセス"やインターネットを使って市民とマスメディアが協業でニュース制作を行う"オープンジャーナリズム"の可能性について話をした。

 番組はおよそ60分。解説者は大手新聞で論説委員などを務めてきたベテラン記者。時間をかけて"インターネット後"の社会における新たなジャーナリズムのあり方について意見を交換したが、市民発信とマスメディアの協業とは、具体的にどのような形で成り立つのかがわかりにくい、という声も聞かれたので、今回は、ここで具体例を紹介したい。

インターネットやSNSの活用で、戦争報道が変わる

 前回、連載第1回目では、オープンジャーナリズムの導入を試みる英国の名門紙『ガーディアン』の取り組みを紹介したが、一方で各国のテレビメディアも、市民参画型のニュース発信に力を入れている。

 今回は、アメリカのニュース専門チャンネルCNNと中東衛星テレビ局アルジャジーラの試みを取り上げたい。

 昨年秋の停戦合意後も緊張関係が続く、イスラエルとパレスチナ。去年11月、イスラエルによる空爆でパレスチナ側に女性や子どもなど多数の民間人の死傷者が出た際には、アメリカ国内でも報道が過熱した。 実はこの紛争では、イスラエル・パレスチナ双方の軍や関係者が、攻撃や被害の状況を自らtwitterやfacebook等を使ってリアルタイムで発信していた。

 次のリンクはIDF・イスラエル国防軍のtwitterアカウントだ。

@IDFSpokesperson

 彼らはガザに対する宣戦布告をtwitterで世界に向け発信した。攻撃の様子などを写真付きで随時ツイート、自らの正当性を主張するメッセージを織り交ぜるなどプロパガンダ攻勢も展開し、戦場ジャーナリスト達によるメディアリポートよりも先に、マスに対して情報発信を行っていった。

 そうしたツイートに呼応するように、ガザからの発信もスタート。ロケット弾が着弾した地域から、住民や地元ジャーナリストの発信が相次いだ。twitter上では、#GazaUnderAttackというハッシュタグが設定され、現場からの直接ツイートによるテキスト、写真、 動画などの情報が溢れた。

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