中国で鳥インフルエンザの危機発生! 新型インフルエンザ流行時の日本の教訓、「情報公開」「現場第一主義」という原則の徹底を!
鳥インフルエンザ(H7N9型)ウィルスの感染経路を急ぐ北京市疾病抑制センター 〔PHOTO〕gettyimages

 3月31日から4月2日まで、中国を訪問した。元外相、国務委員の唐家璇中日友好協会会長ら、要人と会見し、また、社会科学院で研究者と意見交換したり、清華大学で記念講演をしたりして、中国人の生の声を聞いてきた。

 北京駐在の日本のメディアは、私と唐家璇氏の会見内容を既に報じているが、中国側も、尖閣諸島などの懸案の課題は、武力ではなく、対話と協議によって解決すべきであるという点を強調した。

 また、習近平新政権が、日中関係改善に意欲があることも私に伝えられたが、実際にどのような手を打つべきかについては、名案は容易には出てこない。私は、夏の参議院選挙が終わるまでは難しいのではないか、拙速主義は避けるべきだと、中国政府の要人に私見を述べておいた。

 北京側は、尖閣がここまで大きな政治問題となった以上、経済分野で 相互依存関係があるからといって、経済協力が問題解決につながるわけではないと苦言も呈した。そして、双方で智恵を働かせること、今後とも地道な努力を続けていくことを約束したのである。中国要人との会見などについては、帰国後の4日に、首相官邸に行って、菅官房長官に報告しておいた。

中国で鳥インフルエンザが人に感染

 それにしても、中国の大気汚染は凄まじい。私が北京空港に到着したときには、街は霧の中にいるかのように真っ白で、PM2.5の数値は300であった。このような環境では健康を害す。環境問題で、日本の優れた技術と過去の体験に基づくノウハウを提供するとよい。中国では、日本人学校の先生が大気汚染を気にして赴任を取りやめたり、駐在員の家族が帰国したり、いろんな問題も起こっているようである。

 ところで、私が北京に着いた途端に、中国で鳥インフルエンザに罹った患者が出たという報道である。7日現在で、上海、そしてその周辺の地域に拡大がみられ、感染者21人、死者6人となっている。中国政府がどこまで感染者数を正確に把握しているのか、またきちんと情報公開をしているのかが分からないが、隣国の日本としても警戒を怠ってはならない。

 私が厚生労働大臣のときに、世界で新型インフルエンザが流行し、まさに不眠不休で対応に当たったが、そのときの体験が十分に活かされることを望みたい。実は、あの大流行の6ヵ月前に、北京で日中韓の3ヵ国で保健分野の担当大臣会議を開き、新型インフルエンザへの対応、国際協力について協議していたのである。

 わずか一泊の強行軍で空港と会議場になったホテルとを往復する旅であったが、実は、その会議の前後に、3ヵ国の役人たちがシミュレーションを行い、万全の準備を重ねたのである。その結果、この3国では、新型インフルエンザの被害者は少なかった。まさに「備えあれば憂いなし」である。今回も、是非とも、このような国際協力を厚生労働省が中心となって進めてもらいたいものである。

 私が大臣のときには、国内でも様々な準備を行ってきたが、いかんせん初体験であり、いろんな問題も起こり、試行錯誤の連続であった。しかし、日本の感染者死亡率は世界最低レベルであり、WHOは、日本の対応を高く評価している。また、マスコミも国民も一丸となって協力したため、うがい手洗いの励行、イベントの延期などがスムーズに進んだ。

 危機に臨んで、日本人が冷静沈着、また礼節を重んじる極めて民度の高い国民であることを実感した。2年前の東日本大震災のときも同様である。また、メディアも適切な情報を流してくれた。これらの努力が総合して、WHOの評価につながったのだと思う。

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