野球
二宮清純「WBC自責点ゼロ男・牧田和久の天敵」

 WBCで名をあげた埼玉西武の牧田和久投手は、いま最も熱い視線を浴びるピッチャーのひとりです。

 2日の福岡ソフトバンク戦では8回3分の2を1失点に封じ、今季1勝目をあげました。西武の渡辺久信監督は「去年に比べて投球に幅がでてきた」と褒めていました。

“本格派”サブマリン

モットーは「偉くなっても下手(したて)」のアンダースロー

 社会人野球の日本通運から入団した牧田投手の1年目の2011年、5勝7敗22セーブ、防御率2.61という好成績で新人王に輝きました。先発でスタートしたものの、チーム事情で6月からクローザーに転向し、見事、大役を果たしました。

 2年目の昨季は開幕からローテーションに入り、13勝9敗、防御率2.43でチームの勝ち頭になりました。2年間の実績が認められ、WBCの日本代表に選出され、活躍したのは周知のとおりです。

 彼はアンダースローでありながら、変則派ではありません。スピンのきいたストレートは、バッターの目には「浮き上がってくるように見える」そうです。社会人野球で4年間にわたって対戦した左のスラッガー西郷泰之(ホンダ)は「結構、本格派ですよ。打てそうで打てない。手元で変化するので、なかなか芯でとらえられないですね」と舌を巻いていました。

 WBCでも牧田投手の「ホップするストレート」は冴え渡りました。3試合、3イニングを投げて、防御率は0.00。本人も「全く打たれる気がしなかった」と振り返っていました。

 とりわけ右バッターに強く、のべ10人の打者に対し、ヒットは2本しか許しませんでした。