メジャー通算84セーブのストッパーが日本球界復帰
斎藤隆「故郷にチャンピオンフラッグを!」

楽天優勝の好材料
フライデー

 ドジャースは9回裏に、4者連続ホームランで同点に追いつく。すると10回裏に、ガルシアパーラが言葉通りにサヨナラ2ランを放ち斎藤を助けたのだ。

「もう興奮しすぎて、当時の記憶はありません。メジャーでは、逆境の時でも自然体でいられるようなメンタルの強さがなければ通用しない。どんな状況になっても、下を向いてはいけないということを学びました。日本球界に戻ってきたのは8年ぶりです。楽天の若手選手には技術だけでなく、こうした自分の経験を伝えられればと思っています。故郷で活躍する自信は、もちろんありますよ」

 斎藤は「昨年痛めた右ふくらはぎや右肩はまったく問題ない」と笑う。酒井勉・二軍投手コーチも、太鼓判を押す。

「普通キレのある投手の球は、『シュー』というスピン音がします。でも斎藤の場合は、『ブォーン』という重低音がするんです。あんな音は聞いたことがない。球が相当重い証拠ですよ。平均的な日本の打者では、外野にも飛ばせないでしょう。日本の柔らかいマウンドの感覚に慣れれば、抑えとして大活躍できるはずです」

 メジャーで鍛えられた実績十分のストッパーが、楽天の守護神となる。

若き社長(立花陽三)が改革「MJ獲得の舞台裏」

「メジャー通算434本塁打の、ジョーンズを獲得できたのは大きいですね。楽天の主要打者の多くは左です。昨季は相手が左投手だと、打ちあぐねることが多かった。それが140m級のホームランを連発する右のジョーンズの加入で、打線は格段に厚みが出ました」

 こう熱っぽく語るのは、楽天の球団社長・立花陽三氏である。

 ソロモン・ブラザーズ証券やゴールドマン・サックス証券で経験を積み、若くしてメリルリンチ日本証券の執行役員となった立花氏は、以前から知り合いだった球団オーナーの三木谷浩史氏に請われ、昨年8月に球団社長に就任したばかり。慶応義塾大学の学生時代はラグビー部に所属していたが、野球に関しては素人だ。社長に就任以降は球場に足を運びほぼ全試合を観戦し、どうしたら楽天が勝てるようになるか考えているという。

「重要な交渉には、自ら出向きます。ジョーンズについては、スカウトから『うちに興味を持っているようだ』という報告を受けていたので、彼が住んでいるアトランタまで車で4時間かけて向かいました。彼の家の近くのレストランに着いたのは日も暮れようとする夕刻です。それから4時間、私は彼を必死に説得しました。『うちは優勝経験がない。

 でも震災後に優勝するということは、被災地の球団として他とは意味合いが大きく違うんだ。ぜひ契約書にサインしてほしい』と。当初はハードな交渉を予想していましたが、彼もこちらの熱意に打たれたのでしょう。最終的には『プレジデント自らに声をかけてもらって嬉しい』と、サインをしてくれました」

 楽天はさらに、 '10 年にブルワーズで23本塁打をマークした、長打力のあるマギーを獲得。この補強にも、立花氏なりの考えがあったという。