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ITトレンド・セレクト
2013年04月04日(木) 小林 雅一

iTunes音楽の中古売買に違法判決

 そうした中、今週始めに下された判決は、一先ずコンテンツ業界関係者が胸を撫で下ろす内容だった。今回の訴訟を扱ったニューヨークの連邦地裁判事は、被告ReDigi側の主張を全て却下し、同社のサービスを著作権侵害と判定した。その理由として挙げたのが、同社サービスの基本的メカニズムだ。

 ReDigiの中古売買市場では、まずユーザーが手持ちのデジタル音楽を同社のクラウド(サーバー)上にアップする(この時点で、ユーザーのパソコンの記憶装置からは、その音楽が消去される)。一旦そうしておいて、もしも買い手がついたら、その音楽かReDigiのクラウドから買い手へと送られ、クラウド上の音楽は消去される。これで中古音楽の売買が成立したことになる。

サーバー上に一旦作られるコピーが違法と判定

 ここで判事が問題視したのは、一旦、ReDigiのクラウド上にデジタル音楽のコピーが作られることだ。これはレコード会社(原告のCapitol Records)の許可無く行われるため、判事はこの行為を著作権侵害と判定した。それはちょうど、かつてのアナログ・レコードをカセット・テープにコピーして売るようなものだと言うのだ。

 そう言われてみれば、そんなものかと思うが、それにしても随分とテクニカルな判決理由だ。一審に敗れたReDigiは、「今回の判決はReDigi 1.0、つまり以前のバージョンのサービスに対して下されたもので、現在のReDigi 2.0には適用されない」として控訴する構えだ。

 このReDigi 2.0がどういう仕組みに基づいているのか定かではないが、ひょっとしたら、いわゆるP2P型、つまり業者のサーバーを介すことなく、ユーザー(売り手)から別のユーザー(買い手)へと直接、中古コンテンツが送られる仕組みかもしれない。が、仮にそうだとしても、やはり極めてテクニカルな議論に陥りそうだ。

テクニカルな法解釈よりも著作権法の根本的改正が望ましい

 なぜかというと、そもそもデジタル・コンテンツには実体がないからだ。ビニル・レコードやCD、あるいはカセット・テープのように何らかの物があれば別だが、オンライン配信されるような音楽とは所詮、記憶装置内のビット列である。それは実体というよりも、記憶装置を構成する半導体メモリの1か0かの「状態」だ。

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