サッカー
勝負事には相手がいる! 引き分けでも予選突破できる日本以上に、ヨルダンにとって「絶対に負けられない試合」だった
〔PHOTO〕gettyimages

 負けるならチャンピオンのように負けたい。私はいつもそう思っています。

 敗戦を自分に足りないものに気づくきっかけとして、今後の糧としていくために、腐らず、諦めず、怯まず、前を向いていきたい、と。

 そういう意味で、ヨルダンに負けたあとの選手の姿勢には共感できました。

 ピッチコンディションが良くなかった。スタジアムの雰囲気が独特だった。ペナルティキックを蹴る遠藤保仁がレーザー光線を浴びた---そうしたことを言い訳にする選手は、ひとりもいませんでした。ワールドカップ出場は決められなかったですが、彼らは誇り高きチャンピオンのように振る舞ったと思います。

日本全体が楽観的な空気に

 むしろ気になったのは、代表チームの周囲に漂う雰囲気でした。

 ヨルダン戦をまえにした報道を振り返ると、「本田と長友の欠場をどうやって埋めるのか」とか、「香川のポジションはトップ下なのか」といった日本目線の論調が大多数を占めていました。どちらも重要な論点ではありますが、試合には相手がいるものです。

 ここまで最下位のヨルダンにとって、日本戦は絶対に負けられないゲームでした。彼らがどれだけ追い詰められていて、どれほどの意気込みで臨んでくるのか。その点に注意を向ければ、この試合が厳しいものになることは容易に想像できたはずです。しかし、相手の意気込みに触れた記事を、私は見つけることができませんでした。

 ヨルダン戦はワールドカップ予選です。それも舞台はアウェイだった。ヨルダンの厳しい立場を考えれば、主審が買収されてもおかしくない(実際のレフェリングは、きわめて公平でした)。簡単に勝てるはずがありません!

 引き分けでも最終予選突破が決まるという条件が、メディアのみならずサポーターも含めた日本全体を、楽観的な空気で包んでしまった気がするのです。

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