アメリカの学生が史上最も厳しい競争をしている一方、日本のエリートは少子化と入学定員数の増加で劣化している!

2013年04月02日(火) 田村 耕太郎

昔なら落ちていたはずの人間が、東大や早慶に合格している

 先週から今週にかけて、私をガックリと落胆させる事件が相次いだ。

 まずは、応援していた女子高校生が、目指していたアイビーリーグの名門大学に合格できなかった。「彼女をおいてどんな日本人が合格できるのか!」と言いたくなるくらい、条件も資質も能力も揃っていたのに・・・。残念の一語である。

 たまたま、その大学のアドミッション・オフィス(入学管理局)に私の知人がいるので、「今年の入試はかなりの激戦になる」というふうに、厳しい雰囲気については聞いていた(知人の名前を出すことは絶対にできないが)。しかし、まさかあの優秀な女子高校生が受からないとは、驚く他はなかった。

 今、日米の学生の実力差は、開く一方である。日本は、1992年と比べて18歳人口が41%も減っているのに、東大の合格者の定員は変わっておらず、慶応や早稲田に至っては学部を増やし、定員も増やしている。一方、アメリカでは、18歳人口がこの10年で12%も増えているのに、ハーバードもエールも合格者の定員を変えていない。

 しかも、アイビーリーグの座席は、アメリカ人同士だけで争っているわけではない。世界中から最優秀レベルの留学生が、同じ土俵にどんどん割り込んでくる。

 その結果、ハーバードもエールも今年、史上最多の志願者数と競争率を記録した。アメリカの一流大学に入るための戦いは、日本の大学入試のレベルでは考えられないほど熾烈である。そういった事情は、私の新著『君に、世界との戦い方を教えよう 「グローバルの覇者をめざす教育」の最前線から』で具体的に紹介したので、ご興味のある方はぜひお読み頂きたい。

 日本は人口減少で競争が「緩く」なり、昔だったら東大や早慶に受からないレベルの学生が、今では合格している。しかも、彼らはゆとり教育で受けてきたため、学力も知力も平均的に劣化している。

 一方、アメリカでは逆に、昔ならハーバードやエールに受かっていた学生が落とされている。この日米の差は大きい。




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田村 耕太郎

(たむら・こうたろう) 前参議院議員。エール大学上席研究員、ハーバード大学研究員などを経て、世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク「ランド研究所」で唯一の日本人研究員を務めた。
国立シンガポール大学公共政策大学院名誉顧問、新日本海新聞社取締役東京支社長。
1963年生まれ。早稲田大学卒業、慶応義塾大学大学院修了(MBA取得)。デューク大学ロースクール修了(法学修士)、エール大学大学院修了(経済学修士)、オックスフォード大学上級管理者養成プログラム修了、ハーバード大学ケネディスクール危機管理プログラム修了、スタンフォード大学ビジネススクールEコマースプログラム修了、東京大学EMP修了。
2002年から10年まで参議院議員を務めた間、内閣府大臣政務官(経済財政、金融、再チャレンジ担当)、参議院国土交通委員長などを歴任。
シンガポールの国父リー・クアンユー氏との親交を始め、欧米やインドの政治家、富豪、グローバル企業経営者たちに幅広い人脈を持つ。世界の政治、金融、研究の第一線で戦い続けてきた数少ない日本人の一人。
2014年8月、シンガポールにアジアの地政学リスクを分析するシンクタンク「日本戦略情報機構(JII)」を設立。また、国立シンガポール大学(NUS)リー・クワンユー公共政策大学院の兼任教授に就任し、日本の政府関係者やビジネスリーダーに向けたアジア地政学研修を同校教授陣とともに実施する。
著書に『君に、世界との戦い方を教えよう 「グローバルの覇者をめざす教育」の最前線から』などがある。