防衛・安全保障 中国 北朝鮮
太陽節までの1週間は要警戒!? 習近平を敵に回し危険水域へアクセルを踏み込む金正恩
〔PHOTO〕gettyimages

 あれは、2010年9月のことだった。朝鮮労働党代表者会で初めて、金正恩という若き後継者が、党中央委員に選出され、公の場に姿を見せた。

 当時、北京に暮らしていた私は、中国の外交関係者のところへ話を聞きに行った。ところが「正直言って金正恩のことはよく分からないんだ」と言われた。その言い方はトボケているようにも聞こえず、本当にその時点で深く研究はしていなかったのだろう。

 そこで私は、中国外交部のある朝陽門駅から、そのまま地下鉄2号線で3駅北上して、雍和宮に行った。雍和宮は、チベット仏教の北京における総本山である。

 北朝鮮とチベット仏教は、特に何の関係もないが、私の目的は、ある占い師を訪ねることだった。雍和宮の脇道には、チベット仏教関連店が連なっていて、当時その中の一軒が占いをやっていた。中国人のある知人に教えてもらったのだが、この占い師が百発百中だというのだ。

 そこでその占い師に金正恩の顔写真を見せたのだ。「この人だあれ?」と聞かれたので、私は「ある大きな組織の3代目になりそうな人なんだけど、その将来性について占ってほしい」と告げた。するとその占い師、脹れっ面をした若者の写真としばらく睨めっこをした後に、ポツリと言った。

 「この若者は、ロクな死に方をしないね。大きな組織というのが何なのかは知らないけど、その組織を拡大発展させることもできないよ。顔に『悲劇を迎える相』が出ている・・・」

 それきり、その占いの話は忘れていたが、あれから2年半を経て、ふと思い出した。

「米帝との決着をつける時が到来した」

 金正恩第一書記が、危険な道に踏み込み、しかもどんどんアクセルを踏んで危険度を加速化させている。

 3月8日に朝鮮戦争の休戦協定破棄を宣言し、3月27日には板門店にある南北間の軍事通信線も遮断した。そして29日には、午前0時半に、軍の緊急作戦会議を召集。「アメリカ本土と太平洋及び韓国の米軍基地を標的にしたロケットを発射状態にする計画」を承認した。朝鮮中央通信によれば、金第一書記は「米帝との決着をつける時が到来した」と述べたという。

 こうした北朝鮮の言動について、アメリカのヘーゲル国防長官も反応した。3月28日に、「北朝鮮の一連の対応は誤りで、これでは北朝鮮と責任ある関係に発展することはあり得ない」と強調したのだった。

 アメリカが一番懸念しているのは、アメリカ本土まで届く大陸間弾道弾よりも、北朝鮮の核が他国へ拡散することだろう。特に、イランに流れることを恐れているのではないか。オバマ大統領は3月20日にイスラエルを電撃訪問しており、アメリカが今夏頃にイランを空爆するという噂が絶えないからである。

 逆に北朝鮮とすれば、いまのアメリカ軍に2面攻撃(2ヵ所同時の戦争)が不可能なことを見越して、米イラン戦争が勃発すれば、南侵を仕掛ける好機到来ということになる。

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