西武ホールディングスが筆頭株主サーベラスのTOBに反対を表明! 高圧的なハゲタカに反発する西武経営陣の"人間臭い"対立
西武ホールディングスの公式ホームページより

 西武ホールディングス(HD)は、3月26日、筆頭株主の米投資会社サーベラスによるTOBに反対を表明した。また、サーベラスは五味広文元金融庁長官ら3人の取締役起用を提案していたが、これにも反対の意向を示した。これにより、TOBは、経営陣の同意を得ない敵対的TOBに発展した。

 それにしても、どうしてここまでこじれたのか---。

双方にとって不毛な敵対的TOB

 普通に考えても、なかなか理解できない。

 サーベラスは、西武HDが再生する過程の2006年1月、約1,000億円の増資を引き受けて筆頭株主となった"恩人"である。対立が始まったのは、再上場が視野に入った昨年半ばからだというので、出資以来、6年半も友好関係を築いていたことになる。

 ところが、上場の際の企業価値(株価)を巡って、対立を深めていった。

 「サーベラスの提案では、西武鉄道の不採算路線や西武ライオンズの売却などが含まれており、当社の経営に影響力を強めることで、当社の中長期的な企業価値を毀損し、その結果、サーベラスグループ以外の中長期的に当社株式を継続保有する株主の皆様の共同の利益を害するおそれがあります」

 TOB反対表明の記者会見で、西武HDの後藤高志社長は、こう述べて、サーベラス提案は株主のためにならないと強調した。

 サーベラスは投資家のために1,000億円に利益を乗せ、出口戦略を完成させなければならないのだから無理もいう。

 しかし、西武鉄道沿線の地域住民もまたステークホルダーなので、多摩川線、秩父線など5つの路線を列挙、「不要路線」と切り捨てるのは乱暴だろう。ファンの多い西武ライオンズの売却も同様だ。

 ただ、そうした見解の相違があったとしても、敵対的TOBは、西武HDにとっても、サーベラスにとっても得策ではない。そんな不毛の争いになる前に、どうして「再上場」という共通の目標に向かって折れ合うことができなかったのか。

 再上場すれば、西武HDは、これまでの守りから旧赤坂プリンスホテル再開発、旧池袋本社ビル建て替えなど、前向きな投資資金を確保でき、サーベラスはあおぞら銀行に次ぐ出口戦略を実行したことになり、日本撤退のスピードを上げることができる。

 実は、その誰もが想定できる解決法を取らず、TOBを巡って双方がにらみ合ったのは、西武経営陣を叱りつけるようなサーベラスの強硬姿勢のためである。

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