ブームを迎える無人航空機(Drone): その利用と規制の現状

アリゾナ州フェニックスで開催された「Border Security Expo 2013」の展示物 〔PHOTO〕gettyimages

 無人航空機(UAV、通称Drone)が一大産業へと成長する兆しが見えている。

●"Domestic Drones Stir Imaginations, and Concerns"
 The New York Times, March 17, 2013

 上の記事によれば、米国では四半期毎に7500機もの無人航空機を販売するメーカーも既にあるという(因みに、このメーカーは著名作家のクリス・アンダーソン氏が経営する「3D Robotics」という会社だ)。

 もっとも、そうした無人機を購入した人の大半は単なる愛好家と見られる。なぜなら米国では、まだ無人機をビジネスに使うことは原則的に禁止されているからだ。

 たとえば上記3D Roboticsが販売しているような無人機は、従来のラジコン機を高性能化した程度のものと見ていいだろう。それは概ね、成人男性なら肩に担げるほどのサイズ・重量で、形状としてはヘリコプターやセスナ機のようなものまで色々あるが、基本的にはホビイストが楽しむための玩具だ。

高度な機能を備えていながら、数百~数千ドルで買える

 無人航空機は当初、米軍やCIA(中央情報局)が使う「プレデター」のような大型機から開発・利用が開始された。これらは一機で数百万ドル(数億円)もするような代物だが、今、米国の空を覆い始めている小型の無人機は一機、数千ドル(数十万円)から数百ドル(数万円)と手ごろな価格だ。

 しかし、それは今後「単なる玩具」以上の存在になると見られている。高度の自動操舵(auto-pilot)機能、さらにはカメラや熱センサーなど各種センサーを備えているからだ。事実上、「空飛ぶロボット」と呼べるものなのだ。

 こうした高性能の無人機は、少なくとも米国では既に2000年代後半から「農薬散布」や「航空撮影」などのビジネスに使われてきた。ただし当時の商用利用は法的にはグレー・ゾーンにあったようで、この種の無人機をビジネスに使っている人たち(たとえば農家から要請されて、無人機で農薬を散布しているような個人業者)は恐らく、心の片隅で「いずれ規制当局が何か言ってくるんじゃないか」などと心配しながらビジネスをやっていたと想像される。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら
新生・ブルーバックス誕生!