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徹底分析 大谷翔平と藤浪晋太郎 なぜふたりの評価が大逆転したのか プロに入って分かったその素質の違い

2013年03月28日(木) 週刊現代
週刊現代

 一方の藤浪はどうか。彼もまた、チームの先輩・鳥谷敬から「スキがない、しっかりした受け答えをする」と、コメント力には太鼓判を押されているが、深澤氏の意見はやや厳しい。

「決して暗い子じゃないんだけど、口をあまり大きく開かずに話しているので、何を言っているのかわからないことがある。きいている人間からすると、明晰に堂々としゃべる大谷のほうが、印象は断然明るいんです」

 藤浪を凌ぐ大谷の「スター性」の高さは、沖縄でのキャンプ中や現在二軍で練習を行っている鎌ケ谷でも、毎日のように目撃されている。

「ある日の練習の後、寮に引き上げようとする大谷に、一人の子供がサインをせがんだんです。すると大谷は当然のように笑顔で対応していました。それも子供の顔を覗き込みながら優しくサインを手渡していた。

 他の新人はサインにも慣れていないから、ぎこちなくなるものなんですけど、大谷は『当たり前』に対応していました」(スポーツ紙デスク)

 球団の教育がしっかりしているから、という理由もあるだろう。だが彼の普段の態度からは、到底18歳とは思えないような、プロ意識の高さが見えてくるようだ。

 前出の深澤氏もこんな興味深い話を披露してくれている。

「大谷は嫌な顔というのを周囲に見せないんです。一度、大谷に連日張り込んできた記者に、『キャンプ中に大谷が嫌な顔をしたことってあった?』と聞いたら、『ないですね。一度そんな顔に見える瞬間はありましたけど、その時もすぐに元通りになっていました』と。大したものですよ。毎日毎日、大勢の記者に囲まれていればストレスを感じて当たり前でしょう」

 3年前、大谷の高校の先輩である菊池雄星も黄金ルーキーと騒がれ、過熱気味のフィーバーの中にいた。当時、目に見える重圧から距離を置くように、記者やファンを避けるようになっていった菊池は、それと同時に「伸び悩み」の状態ばかりを指摘されるようになってしまった。

 比べるわけではないが、日本中からの注目を集めるいまの喧騒の中で、常に平安を保っているように見える大谷の姿は、彼の心の強さを想像するのに十分な証拠なのではないだろうか。

読んでいる本が違う

 逆に西の怪物・藤浪には、こんな逸話がある。

 2月17日、楽天との練習試合のことだ。登板はなかったものの、ベンチ入りしていた藤浪は、和田豊監督の隣に座り、直々にピッチャーの心得についてレクチャーを受けていた。そのときのことだ。

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