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徹底分析 大谷翔平と藤浪晋太郎 なぜふたりの評価が大逆転したのか プロに入って分かったその素質の違い

 奇しくも同時に現れた2匹の怪物は、おそらく今後、幾度となく比較され続けていくのだろう。幸運か不運か—抜きつ抜かれつを繰り返す宿敵たちの現在地。

成長するスピードが違う

「彼に非凡なものを感じるのは、常に堂々としているからなんです。マウンドでもそうだし、インタビューでの受け答えにしても、非常に落ち着いていて、ついこの間まで高校生だったとは信じられない。松坂(大輔)が西武に入ってきたときよりも、言動はしっかりしているんじゃないかな」

 西武やオリックスで監督を務めた野球解説者の伊原春樹氏が「彼」と呼ぶのは、日本ハムのドラフト1位ルーキー、大谷翔平のことだ。

 今年の春季キャンプ、そしてオープン戦での主役は、間違いなく大谷だった。

 入団前の大谷は、甲子園で春夏連覇を達成した藤浪晋太郎(大阪桐蔭→阪神)に比べ、甲子園未勝利を理由に「勝負弱さ」を指摘され、「実戦向きではない」という声も囁かれていた。

 それが投手・野手兼任の二刀流に有言実行で挑戦し、いまや打席に立つ度、そしてマウンドに上がる度に注目度を上げ続けている。

 ふたりの立場は、なぜ逆転したのか。

「大谷が投手に専念したら、大変なことになると思う。藤浪君も相当なモノだけど。潜在能力という点では大谷の底は知れない」

 大谷の日本ハムの先輩にあたる岩本勉氏は、大谷の実戦での投球に、「惚れ込んでしまった」と明かす。

「ストレートはもちろんのこと、不思議なほど変化球がいいんです。中でも縦に落ちるスライダーは素晴らしい。その上すごくクレバーでもある。藤浪もそうですが人間的にも出来過ぎています。究極の『新人類』なんじゃないですか」

 では、ふたりの実戦での「成績」はどのようなものか。現時点(15日現在)での両者を比較してみると、投手としてのそれは、拮抗している。

 藤浪はオリックスとの練習試合、日本ハムとのオープン戦の2試合に登板して、合計6回・被安打6・1失点、最速151km。

 大谷はヤクルトとの教育リーグ(二軍)が唯一の登板だが、2回・被安打1・無失点で、最速は152kmだった。

 ここで忘れてはならないのが、大谷は野手としても日々トレーニングに励み、実戦にも出場しているという点だ。